「私、失敗しないので」「いたしません」の名言とともに、フリーランスの天才外科医・大門未知子の人気シリーズがスペシャル版『ドクターX~外科医・大門未知子~スペシャル』(テレビ朝日系・7月3日・日曜夜9時~)として帰ってくる。
2012年にシリーズがスタート。翌年の第2シリーズで23.0%、一昨年の第3シリーズで22.9%の平均視聴率をそれぞれ記録。前作の最終回では自己最高の27.4%(すべて関東地区・ビデオリサーチ調べ)をたたき出した。
主演の米倉涼子は、以前は続投に消極的だった。
「たくさんの方が“今年は未知子をやらないの?”と声をかけてくださって、すごくうれしくて………。“やっぱり私には大門未知子が必要なのかな。また演じたいな”という思いが強くなっていったんです。昨年はテレビの再放送や飛行機の中で『ドクターX』を見る機会にも恵まれ、客観的に作品を楽しみました。“『ドクターX』って面白いわ!”と、改めて作品のパワーを肌で感じました」
米倉同様に、内山聖子ゼネラルプロデューサーも前作を集大成としていた。
「シリーズ3で終わるつもりでしたが、この1年“未知子ロス”でした(笑)。そうなることはわかっていたので、克服するには新しい作品をと思ったのですが、米倉さんが“やるとしたら、未知子がいいな”と言ってくれたので、“ぜひやりましょう!”ということになりました」
久しぶりに未知子を演じた米倉は、クランクイン当初は、違和感があったという。
「初日の芝居に、若干のブレを感じました。普段の未知子はテンションが高くなるけれど、ベースにはふてぶてしさがある。可愛さが前面に出ないようにしてほしいんです。米倉さんもすぐそれに気づいてくれて、群れない、ブレない孤高の女・未知子が復活しました」(内山GP)
初のスペシャルでは、未知子に立ちはだかる難敵役で、ビートたけしが出演。米倉とは大河ドラマ『武蔵』以来、13年ぶりの共演だ。
たけしは、初の医師役に心配なことがあった。
「“オレも手術するのかな? それはダメだ!”と。手先が不器用なものでね。番組サイドに“投薬のほうがいい”と言ったら、まさにそっち派だと言われ安心した。医者の役は初めてだけど、間抜けな野球解説者みたいに(笑)上から言いたいことを言っている病院長役だから、ありがたいね」
熱望し、出演オファーした内山GPはこう語る。
「世界的な監督で、俳優のたけしさんに出演していただけるのは一生に1度、またとないチャンスと思いました。演じていただく病院長のキャラクターは、脚本ができる前から決めていました。“路チューして女を捨てるクズ男”と(笑)」
■「私、失敗したので」衝撃的セリフの真意
舞台は石川県金沢。「クロス医療センター」の院長に見込まれ、雇われることになった未知子は、ある患者のオペを命じられる。
患者は「国立高度医療センター金沢分院」から極秘転院してきた国民的フィギュアスケーター・氷室光二郎(伊野尾慧)。手術不可能と言われ、氷室も不安に感じているが、未知子は「100%完璧な手術をする」と言い放った。
ところが未知子は思わぬアクシデントに遭遇。“外科医としての最大の武器”を奪われる危機に陥る。そして「私、失敗しないので」が決まり文句の未知子が、「私、失敗したので」と、ありえない言葉を口にする。
失敗しない医師の未知子の衝撃的なセリフ、たけしの路チューはこだわりポイント。
「もうひとつが旅情です。金沢ロケで能登の断崖絶壁にたたずむ未知子の姿は、スペシャルならでは。楽しんでいただけると思います」(内山GP)
さらに、10月から連続ドラマで第4シリーズの放送が決定した。