『スクラップ・アンド・ビルド』(NHK総合・12月17日土曜夜9時~10時13分)は羽田圭介の芥川賞受賞作品を映像化。主人公の青年が祖父の尊厳死の手助けをしようとしたその先に待っていたこととは。原作者も太鼓判を押すドラマの見どころを紹介!

 

個性派・柄本の演技は“100%正解”

 昨年、芥川賞を受賞した羽田圭介の同名小説をドラマ化。谷口卓敬プロデューサーは、羽田の作品が発表されてすぐにドラマ化を思いついたという。

「読んだときの衝撃は鮮やかで、心をつかまれた感じです。さまざまな読み取り方ができる小説でありながら、ひとりの人間が未来を模索し、それを探り当てようとする姿が、とても力強く描かれていると思えたのです」

 原作の世界観を生かしつつ、オリジナルの登場人物や設定などもある。

「原作に変更を加えた部分があったので、羽田さんがどう思われているか緊張していたのですが、お目にかかったとき開口一番、“よくできていますね”と言ってくださいました。非常にうれしかったですね」(谷口P、以下同)

 主人公の田中健斗は、個性派俳優として評価の高い柄本佑が演じる。

「台本の読み合わせのとき、早くも柄本さんに依頼してよかったと思いました。健斗のはじけた部分と影の部分のメリハリ、セリフのトーンや微妙なニュアンスまで100%の正解を持ってきてくださったんです。探っている感じはなく、1ミリのズレもなくピタッと健斗にハマっている。撮影が始まってからも柄本さんはすごくいきいきと演じてくださり、心の弾みのようなものが画面に出ているかと思います」