のどを鍛える生活習慣

■おしゃべり

 一般的に女性はおしゃべり好きだといわれていますが、実際、加齢によるのど仏の下がり具合を男女で比較した場合、女性のほうが下がり幅が少ないことがわかっています。ただし、食事中のおしゃべりはムセたり咳き込んだりする原因になるため、気をつけましょう。

■よく笑う

 特に大笑いはテキメン。腹部の横隔膜が上下して大量の息が出し入れされるため、呼吸機能を高める効果が期待できるのです。また、のどの筋力をつける効果も期待できます。

■カラオケをする

 おなかの底から声を出していると、自然に深く息を吸ったり吐いたりするようになるため、呼吸機能が鍛えられ肺活量が増加。嚥下にも好影響をもたらします。また、しっかり声を出してカラオケを歌っていると、のど仏がさかんに上下し、結果的に喉頭拳上筋群が鍛えられます。

■有酸素運動を行う

 飲み込み力は全身の体力と相関しています。体力を維持するためにもっとも適しているのは有酸素運動。ウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクスなど、酸素を取り入れながら行う運動です。血行や代謝を促進するのはもちろん、呼吸機能や肺活量を高める効果も期待できるのです。

■鼻呼吸をする

 食べ物を飲み込んだ直後には、息を吐くのが基本です。ところが、呼吸が浅い人や肺活量が落ちている人の場合、飲み込んだ直後に息を吸ってしまうことが多く、その呼吸のクセによって誤嚥が引き起こされるケースが少なくありません。また、食べている最中に無意識に息を吸ってしまうため、口呼吸をするクセがある人や鼻づまりの人も要注意です。

■飲食時の注意

食べ物を飲み込みやすいかどうかは、食事の際の姿勢によっても大きく変わってきます。イスの場合は、背中を伸ばし、軽くおじぎをして食べるのが理想的。背もたれに身体を預けるような姿勢や猫背で食べるのはよくありません。

誤嚥を防ぐ有名な方法には“うなずき嚥下”と呼ばれる飲み込み法があります。やり方は簡単で飲み込む瞬間に下を向いてゴックンするだけ。

 後半は「飲み込み力」UPトレーニングです。どれかひとつだけでも日々の習慣にしていけば、将来の自分に大きく返ってきます。

「ハードルが低めのメニューを長く続けることが、いちばんいい結果につながりやすいです」(西山先生)