薬局で受け取る領収書、じっくり見たことがありますか? 実は、「どの薬局」で「いつ」買うのかで点数=料金に大きな差が生まれているんです! さらに入院した「日にち」が違うだけで、負担額が倍増してしまうことも。今日からトクする医療費の知恵、大公開です。

 

医療費のムダ払いをなくす

 あまり節約を意識しない医療費。でも少しの心がけで支払い額をグンと抑えられる。

 そもそも病院などで受け取る領収書をちゃんと見ていない人が多いのでは?

「領収書には初診料、検査などの各項目に点数が記載されています。1点は10円で換算。例えば総点数が270点なら2700円。一般的には医療費は3割負担なので、これに0.3掛けて810円。これが支払う金額になります」

 と話すのは、テレビでおなじみのファイナンシャルプランナー・風呂内亜矢さん。

「まず意外に多いのが、診療時間外や休日に受診して加算されるケース。初診の場合、平日の時間外に診察を受けたら850円、日曜・祝日なら2500円が初診料に加算されます。一般的にはこの3割を自己負担することに。早朝や夜間診療を行う診療所でも、8時前や18時以降は加算されます。急病やその時間帯でなければ病院に行けないという場合以外は、平日18時以降や日曜の受診を避けることで節約できます」(風呂内さん、以下同)

 また、気軽に通えて相談できる身近な“かかりつけ医”をもつことが、医療費の大きな節約につながるとか。

「例えば腹痛があるからと、いきなり大病院(ベッド数200床以上)を受診した場合、初診料に“選定医療費”という特別料金が上乗せされます。この金額は病院側が自由に設定でき、200床の病院なら2000円ほど、500床以上だと5000円以上のところが一般的。しかも保険適用外なので実費に。

 急を要さないならば、まずは近所のかかりつけ医を受診し、必要なら大病院への紹介状を書いてもらう、というルートがおすすめ。紹介状にも費用はかかりますが、1通750円(3割負担の場合)と、選定医療費よりずっと安い。小さな病院のほうが待ち時間が少なく、時間のムダも防げます」

どの薬局でいつ薬を買えばトクなのか?

 そして病院で処方箋をもらったら、どこの調剤薬局で薬を買うか? 実はこれが重要!

「調剤明細書にある『調剤基本料』は薬局によって異なるのでチェックしましょう」

 一般的な薬局は基本料が41点、処方箋の数が月4000回以上などの要件を満たす門前薬局では25点、チェーン薬局は20点といちばん安い。

「ただし1200品目以上の医薬品を備蓄しているなどの条件を満たす薬局では、基準調剤加算31点がプラスされます。さらにジェネリック医薬品を規定の数量以上そろえていると後発医薬品調剤体制加算というものが。これは患者がジェネリックを選択しなくても加算されてしまいます

 そのため、多品目の薬を扱う大きな薬局は調剤基本料が高くなりがち。仮に点数が50点違うと、毎回150円(3割負担の場合、以下同)多く支払うことになる。

「調剤基本料が80点以上なら、他の薬局に変えて比較してみましょう。薬の品ぞろえが少なくても取り寄せを依頼し入手する方法もあります」

 前述した診療費と同じく、注意したいのが土日や夜間の割増料金。

「平日の19時以降、土曜の13時以降、日曜日に薬を購入すると加算や割増しされます。また半年以内に同じ薬局を再訪した場合、『薬剤管理料』がお薬手帳を見せると約36円安くなります」

 薬自体の料金は、どこの薬局でも同じだが、ジェネリック医薬品を選ぶと割安に。

「ただし、ジェネリックを多数取りそろえる薬局は調剤基本料が高くなる傾向があるので、支払い総額や利便性なども考えて検討しましょう」