良い死のためにすべきこと10
自分が寝たきりにさせられないために、そして家族を寝たきりにさせないためにも、今の元気なうちに勉強しておく必要があるだろう。良い死に方を考えること。それは、超高齢社会を突っ走る、わたしたち日本人一人一人に突きつけられている大きな課題だ。『長生き地獄』の5章に書いた「良い死に方を考えるための10のポイント」は、「良い死」を考えるきっかけになるはずだ。良い死に方とは、つまるところ、良い生き方に通ずるのだ。
「良い死に方」とひと言で言っても、具体的に何をどうすればよいのか、健全な判断ができる今のうちに、きちんと考えておく必要があるだろう。
「そのとき」になってからでは遅い。ここでは、「良い死に方」のために考えておきたい10のポイントをわたしなりにまとめてみた。
●延命治療をするか、しないか(尊厳死を望むか)
●リビングウイル(※)を書く
●家族や友人に自分の意思を伝えておく
●救急車を呼ぶか、呼ばないか
●孤独死を望むか、望まないか
●最期は自宅か、施設か
●あなたの地区に訪問医はいるか、いないか
●生死について話せる友達がいるか、いないか
●自分なりの死生観を持っているか、否か
●今を楽しんでいるか
(※)編集部注:自分で意思を決定・表明できない状態になったときに受ける医療について、あらかじめ要望を明記しておく文書。
皆さんもこれを参考に、自分なりに考えておくことをお勧めする。
(文/松原惇子)
<プロフィール>
松原惇子(まつばら・じゅんこ)◎1947年、埼玉県生まれ。昭和女子大学卒業後、ニューヨーク市立クイーンズカレッジ大学院にてカウンセリングで修士課程修了。39歳のとき『女が家を買うとき』(文藝春秋)で作家デビュー。3作目の『クロワッサン症候群』はベストセラーとなり流行語に。一貫して「女性ひとりの生き方」をテーマに執筆、講演活動を行っている。NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク代表理事。著書に『「ひとりの老後」はこわくない』(PHP文庫)、『老後ひとりぼっち』(SB新書)など多数。