牛乳を飲むとよく眠れるというのはホント?
育ち盛りの子どもたちだけでなく、働き盛りのビジネスパーソンにも牛乳はいい働きをすると言われますが、その理由はなぜでしょうか。
人間の身体や生体機能を維持するのに欠かせないアミノ酸の中でも、食べ物などで外部から補う必要があるものを必須アミノ酸と言います。
牛乳に多く含まれるトリプトファンはセロトニンの原料となる
実は、牛乳には必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」が多く含まれているのです。
トリプトファンが血液を通じて脳の運ばれると、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムと共に、精神を穏やかにする働きのある神経伝達物質「セロトニン」をつくる原料になります。
このセロトニンが不足してくると不安に襲われたり、寝つきが悪くなって不眠などの原因になります。
そうなると仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすことから、トリプトファンの補給に牛乳は効果的だと言えるわけです。
トリプトファンの効果的な摂り方は「過剰NG!」「牛乳は人肌で」
ただし、このトリプトファンも長期に過剰摂取すると、肝臓に負担を与えたりするため「今日は疲れたのでぐっすり眠りたいな」というときに、意識的に牛乳を飲んで寝るというぐらいがいいのではないでしょうか。
トリプトファンは冷たすぎても暑すぎても働きが弱くなるので、人肌程度に温めた牛乳を飲むのが効果的。身体も温まって誘眠効果もあります。
子どもと違って大人は通常それほど積極的に牛乳を飲まなくても問題ない
牛乳は大人になってからはそれほど積極的に摂取しなくても問題ありません。幼児や小学生、中学生はカルシウム補給などで必要ですが、大人になると乳糖を分解する酵素がなくなるため、どうしても牛乳をたくさん飲むと腸に負担がかかるという人も多いです。
むしろ牛乳の脂肪分も気になるので、大人の場合は豆乳のほうがいいかもしれません。
「忙しい人の世界一シンプルな「食」習慣」の著者である杉本恵子さんは、30歳を過ぎてから牛乳だけをそのままコップで飲むという習慣がなくなったそうですが、特に健康上の問題を感じたこともないそうです。
しかし特に女性の、骨粗鬆症予防のためにもカルシウムを多く摂ろうと思うと豆乳よりも牛乳がおすすめです。低脂肪や無脂肪の牛乳であれば脂肪分が豆乳よりも少ないです。
大人の牛乳の飲み方は一度に大量に飲まないこと
一部の、乳糖を分解することができない「乳糖不耐症」の人は、牛乳を飲むと腸に負担がかかって下痢をしてしまいますが、ただ大人になって乳糖を分解する能力が減った場合は、一度に大量に牛乳を飲むことをしなければ、十分に乳糖を分解することができます。
冷たい牛乳1本で下痢をしてしまう人でも温めて少しずつゆっくり飲めば大丈夫なケースもよくありますよ。