サイン6:更年期以降の貧血は胃がんの予兆
「更年期を迎えたあとの貧血は少し厄介です。若いころの貧血は生理によるものが多いですが、更年期以降は胃がんや大腸がんなど消化器系のがんの可能性があります。
また、貧血が悪化したなと思い病院へ行ってみたら実は胃がんだった、というケースをときどき耳にします」
消化器系のがんは少しずつ出血があるため貧血になりやすい。
「大腸がんの場合、便に血が混じり黒っぽくなります。食べ物によるものだと思っていたら大腸がんだったということもありえます」
サイン7:冷えは糖尿病が進んでいるサイン
女性の大敵・冷え。冬のせいと思ったら、意外な理由が……。
「もしかすると糖尿病が進行しているサインかもしれません。現在、診断されていなくても、過去に血糖値が高めだと言われた人は要注意です」
糖尿病の合併症では末梢の血管にダメージが起こる。冬の寒い時期に血管が縮むと、冷えやピリピリした痛みを感じることがあるという。
「血糖値が高くても、これといった自覚症状がないので、糖尿病は知らないうちに悪化してしまう怖い病気です」
サイン8:くしゃみをしただけなのに骨折!
「今の40~50代は、誰もが若いころにダイエットをした経験があるのでは、と思います。
私たちは、思春期に貯金したカルシウムを年々崩して使っているわけですが、更年期になると女性ホルモンが少なくなるため、ただでさえ骨がもろくなっているのに、カルシウムの貯金が少ない元ダイエッターは骨代謝のバランスが悪く、さらに骨がもろくなりやすいのです」
そのため、くしゃみをした拍子に、実は骨が折れていたということもあるんだそう。
「足を組み替えるなど何気ない動作でも骨折することがあります」
サイン9:靴がきつかったらリウマチのおそれ
「太ってブーツのファスナーが上がらなくなってしまったり、年末年始に飲みすぎてしまったために、一時的に足がむくんでいるのなら心配ありませんが、靴が合わないのはリウマチかもしれません」
リウマチは足の関節から症状が出る場合もあり、腫れて靴が入らなくなることがあるという。
サイン10:胸のブツブツは乳がんの可能性
冬はニットが肌に触れたり、厚着をしてムレたりするなど、皮膚に湿疹ができることがある。ただ、こんな例も。
「夏みかんのようなブツブツが胸にできたら、乳がんかもしれません」
乳がんのサインはしこりだけではない。かゆみや湿疹などの皮膚症状もあることを覚えておこう。
<教えてくれた人>
植田美津恵先生◎医学ジャーナリスト・医学博士。首都医校教授、愛知医科大学客員研究員。医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動も行う