目的は“やせる”ではなく“キレイ”
こうした食生活を続ければ、太りにくい体質となり、さらに腸内環境も整って肌ツヤがよくなってくるという。多くの女性からダイエットの相談を受けてきた岸村代表は食べなければ早くやせられる、と“シンデレラ体重”を目指す女性の思い込みに対してこう指摘する。
「やせることが目標ではないはずです。キレイになりたいというのが目的ですよね? 食事を抜いて“シンデレラ体重”になっても、それはやせたのではなく、やつれたと見られてしまうかもしれません。健康的でツヤのある肌で、メリハリのあるボディが理想なのだと気がついてほしいです」
昨年、フランスでは極端にやせているモデルたちの活動を禁止する法律が施行された。モデルたちはBMIの数値が低すぎず、健康体であると証明する医師の診断書を提出することが義務づけられた。
この流れに乗り、高級ブランドのクリスチャン・ディオールとグッチは、やせすぎのモデルを今後、ファッションショーで起用しないことを発表した。
「業界全体への刺激となり、ファッションモデルの労働条件を、変革させたいと思っている」
と、コメント。こうして、若者に現実的ではないボディイメージを植えつけたり、摂食障害の引き金になることを制限する動きが世界では主流になっている。
「体形=体重ではありません。体重が落ちても、身体がむくんでしまい、ほとんど体形が変わらないこともあります。無理なダイエットをすれば筋肉が落ち、リバウンドで身体につくのは脂肪です。そうなると代謝能力が落ち、少し食べただけでも太りやすい体質となってしまいます。きちんとしたダイエット方法で、健康的な身体を手に入れていただきたいです」
■話をうかがったのは……
一般社団法人・大人のダイエット研究所
岸村康代代表理事
自身の15kg減量の経験や2000人以上のダイエットのサポートをしてきた経験を生かし、商品開発、講師、メディア出演など、多方面で活躍。忙しい大人が無理なく健康になるためのおいしくて身体にいい食を推進している。
<取材・文/相坂喜久代>