そのひとつに、データニュース株式会社が2400世帯のサンプルから、ドラマ自体の質を評価する『ドラマ満足度』という指標がある。
「ドラマの満足度を5点満点で集計したものです。満足度の毎話平均では、前クールは『アンナチュラル』(TBS系)が最終話で『99・9』を抜いて首位になりました。
ドラマ満足度が高いものは、必然的にタイムシフト視聴率が上がる傾向にあり、『アンナチュラル』の最終回も14・1%と『99・9』を上回りましたね」(前出・テレビ誌ライター)
今クールのドラマでは、月9『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の満足度が高水準を保っている。
「初回は3・42と好発進とは言えなかったのですが、満足度は右肩上がりに上昇。第3話では、3・96にまで数字を伸ばしています。3・7ポイント以上が高得点と言われるなかで、優秀な成績。4話では若干ポイントを落としましたが、このままいけば人気ドラマになりそうです」(前出・スポーツ紙記者)
人気なのは“頭を使う作品”
満足度の高いドラマには、共通した特徴があるという。
「ひとつは’17年に放送された『カルテット』(TBS系)や前クールの『anone』(日本テレビ系)など、繰り返し見て楽しめる伏線などが張り巡らされている作品。
もうひとつは、今クールの初回満足度が高かった『ブラックペアン』(TBS系)や『特捜9』(テレビ朝日系)などのように、医療や事件、法律などが題材となっていて、簡単には理解するのが難しい作品です。
視聴者が物語をただ受け取るだけでなく、分析をしたり、頭を使ったりという工程がある作品は、満足度が高いように思います」(前出・テレビ誌ライター)
目に見える“視聴率”という指標は格段に下がってしまっている昨今だが、視聴者が求めているものは変わらず、“見ごたえのあるドラマ”。さまざまな視点から読み解いていくと、日本のドラマはまだまだ捨てたものではないのかもしれない。