医療保険には入らなくていい
生命保険を大きく変えるもうひとつの波がある。それは、長寿化。
「平均余命が延びたことで、保険料の計算の根拠となる『標準生命表』がこの4月に改定されました。保険加入者が死亡するリスクが減ったわけですから、掛け捨てで死亡に備える定期保険の保険料が値下がりしたケースも出てきてます」
寿命が延びると、医療にかかる機会も増えていく。そのため“長生きリスク”に備えて、さまざまな医療保険が登場している。
「みなさん不安なので、医療保険はいま、大人気。競争が激しい分野です。実際に、入院・手術に対応する従来型の医療保険のほか、就業不能保険、自由診療や認知症に備える保険など、時代のニーズに合わせたさまざまな商品が誕生しています。
でも、ズバリ言わせてもらうと、医療保険はほとんどのご家庭には不要です。公的な健康保険制度が充実しているので、民間保険で備える必要はありません」
もうひとりの保険の達人、横川由理さんも、医療保険に頼ることには否定的。
「必要性を吟味しないまま保険に加入している人が多いですね。なかには入らなくてもいい保険もあって、その最たるものが医療保険です。
“1か月3000円の保険料なら負担じゃない”と思うかもしれませんが、1年払えば3万6000円、10年で36万円、30年で100万円近くに。そのお金、保険ではなく貯金にまわしたほうがよいのでは?」
では、いったい、どんな保険で人生のリスクに備えたらいいの? ここからは、ジャンル別の見直し術をご紹介。