だから僕自身、ほとんど怒ったりイライラしたりすることがありません。これは仕事だけでなくて、プライベートでもそうです。遅刻されても怒りませんし、悪口を言われて、嫌なことをされてもまったく気になりません。
たとえばレストランで隣の席の人から突然ワインをかけられたとします。たいていの人は「何するんだ!」って怒ると思うんです。
でも僕は、びっくりはするけれど怒りの感情は起きません。もちろんかけられるのは嫌ですけれど、所詮は服です。
命がとられるわけじゃない。「ま、いいか」「この服でよかったな」「赤ワインじゃなくてよかったな」「一緒の人にかからなくてよかったな」「上着だけでパンツにはかからなくてよかったな」「まだクリーニング屋さんが開いてる時間でよかったな」と切り替えます。
せっかく美味しいモノを食べているんですから、自分から楽しい時間、幸せな空間をさらに壊すことはありません。
現実に起きてしまったことに感情をぶつけても仕方ありません。大切なことはそれをどう解釈するかです。
そう考えて生きていれば、そんなに嫌なことがないんです。だからラクだし、「生きづらいな」と感じることもありません。自分の考えや意見、やり方にこだわるから、仕事でもプライベートでも間違いに気づいていても引き返そうとしない。それが大きな失敗に繋がってしまいます。「間違った」と思ったら途中で止めてもいいし、引き返していい。
僕が経営する会社に“本業”がないというのも、ひとつのビジネスだけにこだわってしまわないためです。起業したばかりのころは経営や投資のコンサルティング業がメインでしたが、いまは不動産や保険、広告代理業なども手がけています。
変化が大きくて早い時代ですから本業にだけこだわって注力してしまうと、それが行き詰まったときに本業が経営にとってのリスクになってしまいます。
「言っていることが昔と違う」「やっていることがコロコロ変わる」とビジネスパートナーや経営者仲間から冷やかされますが(笑い)、それでも会社は順調に成長しています。起業から5年で年商10億円を超えました。
自分自身の変化を受け入れる、自分自身に縛られずに常に変わっていける人や企業が一番強いのです。
<プロフィール>
金川顕教(かながわ・あきのり)◎1986年、三重県生まれ。立命館大学産業社会学部卒。経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家。大学在学中に公認会計士試験に合格し、大学卒業後は有限責任監査法人トーマツに入社。様々な業種・業態の会計監査、内部統制監査を担当する。数多くの成功者から学んだ事実と経験を活かし、経営コンサルタントとして、2013年に独立。以来、不動産業、保険代理業、広告代理業、出版など多岐にわたるビジネスのプロデュースに携わる。『チェンジ〜人生のピンチは考え方を変えればチャンスになる!』(サンライズパブリッシング)、『すごい効率化』(KADOKAWA)など著書多数。