楽しさ満載!『フレンドフーズ』の仕入れ戦略
京都市左京区の閑静な住宅街に構える『フレンドフーズ下鴨店』。この店は、全国の産地や加工工場まで足を運び、独自の厳密な審査基準に合格した、ごまかしのきかない手法で作られた一級品を置く、こだわりのスーパーだ。
「本来、小売店の使命とは、数ある商品の中からプロとしての目利きでいい商品を選別してお客様に提供していくことのはず。こうした考えのもと、先代の社長が就任して店舗をリニューアルすることになった平成5年を機に、店頭商品の見直しを行いました」
こう話してくれたのは、藤田俊代表取締役社長だ。仕入れ商品には細部までこだわっている。例えば酒・しょうゆ・みそは先代の社長やバイヤー自らが蔵元を訪ね、伝統的な方法でつくられたもののみを仕入れている。
しょうゆはステンレスではなく微生物がすみつく木桶を使って2年以上かけてつくられたものであったり、酢であれば静置発酵法という昔ながらの製法で長期間熟成されたものだったりと、妥協を許さない。
肉や魚に関しても同様で、豚や鶏の育つ環境、エサの安全性などを自ら確かめているほか、牛肉は黒毛和牛のA4以上のみを仕入れている。魚や青果物、調味料にいたるまで同じ信念を築いている。
こうしたこだわりから、口コミで客数が増え、いまでは近隣だけでなく遠方から来店する常連客や、レストラン経営者、料理研究家といった業界人も多く訪れるという。代表取締役専務の藤田郁さんによると、
「スーパーでありながら、全国の珍しいものがそろっているので、アンテナショップのように楽しんでくださる方が多い」
と、教えてくれた。