10月25日、都内のホテルで『東京ドラマアウォード2018』の授賞式が行われ、主演男優賞に選ばれた田中圭(34)が登壇した。
視聴率では見えないモノ
田中は、男性同士の恋愛を描いた『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で、男性からモテモテの役を演じた。さらに同ドラマは、東京ドラマアウォードで作品賞・連続ドラマ部門グランプリまで受賞する快進撃。“ヒロイン役”の俳優・吉田鋼太郎(59)も助演男優賞を受賞するおまけまでついたが、一方で、視聴率が伸び悩んだ作品でもあった。
「テレビ広告費が縮小する中で、ドラマもこれまで以上に視聴率を重視する傾向が強まっていて、“内容の良い作品”よりも“数字の取れる作品”が好まれますが、今回の受賞で、このドラマ関係者が報われたわけです」(芸能記者)
とはいえ、初回放送の視聴率はわずか2.9%とかなり厳しい数字。スタッフの間でも動揺が走ったという。田中自身がこう振り返る。
「数字的には良くなかったんですよね、想像していたより。監督やプロデユーサーも落ち込んでいて、僕に“すみません”って謝りに来られたんです」
ドラマ撮影中、ましてや初回を放送したばかりで、難しい空気だったことは言うまでもない。監督やプロデューサーにしても、主演である田中に責任を感じさせないための“先手”を打ったとも言えるが、それに対して田中は、「ものすごく面白かったから全然、気にすることない」と言い切ったという。
「第1話の完成した映像を見て、すごく面白くて、現場でも手応えを感じていた」
さらに、「数字を取りに行こうと思って連ドラ化したのであれば、“まず、タイトルは『おっさんずラブ』じゃねぇよ”って話した」とも言うのだ。
そこには、スタッフに対して責任を感じさせないようにという気遣いと、「もともと僕は数字に固執しているわけではなかった」と、“良い作品”への探求心があったというわけだ。
「“視聴率では見えないモノが確かにある”ということを一つ示せたんじゃないかな。東京ドラマアウォード史上、最低の視聴率でグランプリを獲ったと思うので、逆に誇りにしたい」(田中)
これぞ、スタッフも涙したであろう名言。女性も、おっさんも、ドラマスタッフもトリコにする田中の男前快進撃は今後も続きそうだ。