ただ、エクオールを作り出せる腸内細菌を持つ女性は、50代では2人に1人。しかも、年齢が若くなるほど少ない傾向にあるとか。
「腸内細菌を持っていない人は、エクオールのサプリメントを摂取するのがいいと思います」
好きな食べ方で大丈夫
加えて、大豆イソフラボンには、閉経後に起こりやすい動脈硬化を抑制し、血管を保護する働きもあることが確認されている。骨粗鬆症の予防効果を謳う研究報告もある。
「大豆イソフラボンを含んだ好きな食材を、好きな料理で食べれば大丈夫です。例えば、豆乳をそのまま飲んでも、お豆腐を生で食べたとしても、油揚げを調理しても変わりません。イソフラボンは胃の部分で変化を受けるのではなく、腸で変化して吸収されるので」
高尾先生によれば、日本人の朝食の定番ともいえる、焼き魚にごはん、味噌汁の組み合わせがベストだとか。
「サケの焼き魚、納豆に生卵、十六穀米(玄米)に味噌汁といった和定食のメニューがオススメです。納豆や味噌汁の味噌には、大豆イソフラボンがたっぷり含まれていますし、サケは骨の形成に欠かせないビタミンDを豊富に含みます。
さらにカルシウム強化のために1杯の牛乳をプラスしたら完璧ですね。このメニューなら更年期障害だけでなく、成人病対策としても最適です」
パン食のかわりになる! おすすめレシピ
油揚げトースト
【材料(1人分)】
油揚げ、とろけるチーズ、季節の緑黄色野菜に目玉焼き、牛乳
【作り方】
パンのかわりに大豆イソフラボンをたっぷり含んだ油揚げを使用。とろけるチーズ、季節の野菜をのせて、電子レンジでチンしてからオリーブオイルを垂らす。夜ならワインを飲みながらピザ感覚で召し上がれ。もし手間をかけたくなければ、油揚げをトースターで焼き、ディップ感覚で味噌をつけても美味。お酒のおつまみとしても最適!
《PROFILE》
高尾美穂先生 ◎たかお・みほ。産婦人科専門医、医学博士、婦人科スポーツドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了後、慈恵医大病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て、『イーク表参道』副院長を務める。文部科学省・国立スポーツ科学センター女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバーにも名を連ねる