──ほかに使っていて気になった点は?
辛酸「アプリを立ち上げるごとに、【この画面を提示してすぐお支払い】と書かれたバーコードの下に5分間のタイマーが表示され、急に謎のカウントダウンが始まるので、煽られているような気がしてしまいます。
'11年に“スカスカおせち事件”で話題になったクーポンサイトの『グルーポン』も、商品の横に“何時・何分・何秒”というように数字がたくさん出てきてカウントダウンをしていたことが思い出されます」
──カウントが「0:00」になったら一体何が起こるのやら……。
辛酸「気になって5分間待ってみたのですが、結局またカウントが5:00に戻るだけで特に何も起きませんでした。“急いで払わなきゃ”と思わせるだけのカウントダウンなのかもしれません。
こういう消費者をコントロールしようという仕組みが、どこか信用できないような雰囲気を出しています。
支払いのときにスマホから“ペイペイ♪”と軽快な音が鳴るのですが、ビッグカメラで私の前に並んでいた若い女性はその音にあわせて“ペイペイ”と呟いていました。すでに洗脳は始まっているのかもしれません」
──1/40の確率で支払額の全額が無料になるキャンペーン(Yahoo!プレミアム会員は確率が1/20、ソフトバンクとワイモバイルのスマホユーザーは確率が1/10の確率にアップ)もありましたが、結果はいかがでしたか?
辛酸「残念ながら抽選には当たらず、20%還元の5000円分ほどのポイントをもらいました。早速、使ってみようとファミリーマートでアイスを買ったのですが、ポイントをお金に換金するというアプリ内作業が必要だったことを全く知らなくて……。
結局、ただクレジットカードでアイスを買ったおかしな人、という結果になってしまいました。あとで調べたところ、そもそも来年の1月からしか利用できないポイントだったみたいです。どの道、簡単には使わせてくれない仕組みになっています」
──サービス終了直前に買い物に急ぐ『駆け込みPayPay』の様子や、この盛り上がりぶりを『PayPay狂騒曲』と報じるメディアもあったりと、大きな話題になりましたよね。
辛酸「全額キャッシュバックが当たった画面のスクショをTwitterにアップしているのを多く見かけましたね。中には2回、3回と全額キャッシュバックが当たっている人もいたそうです。それを見ていると、“もう一回やろうかな……”という気になってしまいました。ちょっとしたギャンブル性があって怖いですね。
たまにビックカメラやヨドバシカメラで10%を超える還元キャンペーンをやっていますし、“それくらいで満足しておくべきだったのかも……”と、踊らされた後に気づきました。それだったらポイントもすぐ使えますし」