「ゼロからのスタートなので、何も失うものがないし、怖いものもありません。今は一緒に仕事をしたいと言ってくれる方たちの声に応えて、オファーをいただいた仕事に向き合っていくのみ。
正直、不安はあまりないです。それよりも1日1日が楽しくて、充実感のほうが大きいですね」
2017年に前事務所との契約を終了。突如、表舞台から姿を消した山本裕典(31)が、約2年ぶりに帰ってきた。「何でも聞いてください」と、以前と変わらない爽やかな笑顔と受け答え。休養中、彼は何を感じ、どんなふうに過ごしてきたのか──。
どこに行っても僕は結局、
山本裕典なんだなと
「この2年間、特に後半は堕落した生活を送っていました(笑)。朝方に寝て、日が沈むくらいに起きて、それからネットで動画を見る。テレビや邦画は避けてました。見れるわけないですよ。
嫉妬じゃないけど、もどかしい気持ちもあったんだと思います。バラエティーにも女優さんとか俳優さんが出てたらチャンネルを変えたりして、全然見れませんでした」
その間、芸能界に復帰したいと思ったことは?
「ないと言ったらウソになります。休止してからは、いろんなこと言われたりしたし、あることないこと(週刊誌やネットに)書かれて。そんな自分でもついてきてくれるファンがいて、その声を聞くと、戻りたいと思ったり……。
でも見て見ぬふりをしていました。だって、僕が“やるぞ”ってなったところで、僕には何もできない。本当に無力だったんです」
とはいえ、つらいことばかりではなかった。表舞台から退いたことで、これまでできなかったことも経験できたという。
「頻繁に実家にも帰って、のんびりすることができて。両親と兄弟の家族を連れて、箱根や沖縄を旅行したり。親孝行、家族孝行が少しはできたのかな。たくさん遊んだりもしたし、飲食店の経営もしたことで新しい仲間もできて、すごく楽しかったです。
ただ、どこに行っても僕は結局、山本裕典なんだなと。この2年間、彼女もいたし、普通にデートもした。けどやっぱり僕だと気づかれる。お店に行っても寿司を食べてても何やってても(笑)。見られ方は変わらないんだなって」