復帰を決めた理由

 休養中は何度も芸能界から仕事の声がかかったが、断り続けていたと山本。そんな彼がこのタイミングで復帰を決めたワケは?

「今CMに出させてもらってる会社の社長さんとはずっと親交があって。前から声はかけてもらっていたものの、お断りしていたんです。

 でも、あるとき“僕が求めてるのは、旬のキラキラしている人じゃない。泥水すすって苦しんで這い上がってくるような、お前みたいなやつが好きだ”と口説かれました。そんなこと言われたら心は揺れますよ(笑)。

 同時に、同じくずっと連絡をくださってた今回の舞台で演出を担当する柳川(由起子)さんから出演しないかと連絡をもらったんです。しかもその台本を読んだら、当て書きと思うくらい僕にぴったりこれはやるしかないなと。タイミングも運もよかった。何よりも周りの人に支えられて、ここまで来ることができました」

 復帰を喜んでくれたのは──。

昔から親父がいちばんのファンだったんです。この2年間は家族とも多くの時間を過ごしましたけど、みんな“裕典の人生だから”って何も言ってこなくて、それが逆に心苦しくて(笑)

 でも復帰が決まったとき、親父がすごくニコニコしていて。めったに感情を出さない弟も“兄ちゃんの舞台見に行きたいな”って。家族のためにも、まだまだ頑張らないと。そう思います