2009年12月28日、佳謙容疑者は傷害と逮捕監禁の疑いで逮捕されている。当時22歳。元交際相手の女性を呼び出し、左足をバールで殴りつけ両手両足を結束バンドで縛り、女性の乗用車で3時間あまり連れ回したという。
逮捕したのは、今回と同じ茨城県警石岡署。新聞も報じ、近所の知るところとなった。
素行不良の長男とは対照的に、悌二容疑者は「実直な人」「キッチリした人」「まじめな人」と周囲は口をそろえる。
銃には複数の鍵
県猟友会に所属し、同会主催の昨年度の安全狩猟射撃決勝大会では個人準優勝するほどの腕前だ。
猟友会の男性会員は、
「テッポウをやっている人であの人を悪く言う人はまずいない。面倒見もいいし、銃の取り扱いも本当に丁寧だし、猟もサボらずちゃんと取り組む。面倒なイノシシの解体も、率先してやってくれます。
悪さばかりしている息子に、悌二さんもよっぽど悩んでいたんだと思うよ」
前出・捜査関係者によれば事件当日、銃は保管庫に入っていたという。
「鍵も複数かけ、即座に取り出せない。“今から火をつけに行く”と息子から連絡があったから、取り出して待っていたのでは。火をつけられたら、家族まで殺されかねないですからね」(前出・男性会員)
事件当日、家にいた容疑者の妻であり母は、取材に口を閉ざす。佳謙容疑者の弟は、
「兄とは仲があまりよくなかったので(動機など)よくわからない。捜査中ですし、お話しできません」
警察は、家庭内トラブルが原因とみて捜査を進めているが、息子は容疑を否認。父親は黙秘しているという。