――お子様も暁星に入れたいと思っていらっしゃいますか?

「子どもが生まれて男の子だったら、やはり暁星に……と考えていた時期もありましたが、最近の異常な小学校受験のやり方には正直、信用がおけないんですよね。父親が出身だから受かりやすいとも考えられませんし。

 最近飲んだ暁星の同級生も、息子を幼稚園や小学校から青学や学習院に入れているんですよ。暁星高校から青山学院大学の推薦取るのもまぁまぁ大変だったから、だったら最初から青学に入れておけばいいんじゃないか? ということらしいです。サッカーを途中で辞めるほど学内の勉強が忙しいんだったら、青学や学習院に入って、思う存分、部活をやらせたいと思ったらしく、実際、彼の息子は都大会や全国大会で頑張っているらしいです。

 就職に際して、親の会社を継がなくてはいけないという選択肢しかない場合、そういう学校選びもありなんじゃないかと。とはいえ、暁星には感謝以外の言葉はありません。最高に楽しかった12年間の学校生活と、素晴らしい仲間に恵まれましたので」

――お子様ももうそろそろ小学校受験に向けて準備が必要なころですね。

「ええ、先日は学習院の説明会に行ってきました。暁星育ちなんで、皇居の近くや総武線沿線が何となく落ち着くんですよね。私自身がそうであったように、子どもも小学校から私立に行かせて、いい先生、いい仲間と出会ってほしいと思っていますが、それが暁星なのか、青学なのか、学習院なのか、公立なのか……。それは神のみぞ知るのだと思いますが、そろそろ受験準備は始めないといけないとは思っています」

■暁星学園に合格した男の子の場合

 地方から東京に引っ越してきて、東京のお受験事情に驚きつつも、暁星小学校に合格した男の子のお母様にお話を伺いました。

ご家族のスペック

・お父様:地方国立大学卒、中小企業社長
・お母様:地方私立女子大卒
・お子様:都内人気幼稚園

――お受験にいたる経緯を教えていただけますか?

「出産後、主人の会社の本社を東京に移すこととなり、東京に引っ越してきました。居を構えた近くに人気の幼稚園があり、入園しましたところ、みなさま、小学校受験をするとのことで驚きました。地方は私立の小学校や中学校を受験するという考え方はほとんどないんですよ。県立高校から、国立大学を目指すのが一種の“ステータス”的考え方なので。

 主人も、息子を小学校から私立に入れるなんて国立大学への道を最初から諦めているみたいだと、最初は反対していました。しかし、東京の地理どころか、人脈も何もなかったので、とにかく子どもを安心できる環境で育てたいと考え方が変わり、年少の秋にジャックに入会しました。そして、そこで知り合った女の子のお母様と家族ぐるみで親しくなり、人気の体操教室や個人の先生をご紹介してもらいました」

――なぜ志望校に暁星を選ばれたのでしょうか?

「志望校として、やはり最初に慶應幼稚舎が浮かんだのですが、個人の先生に“コネも何もないのにどうやって入れるの?”と厳しく言われ、東京のお受験世界の裏側をいろいろと教えていただきました。しかし同時に、“コネもなく卒業生でもないのなら、実力をつければいいんだよ”とも言われ、無我夢中で先生のご指示どおりの活動をしました。

 そんななか出会ったのが、暁星学園という学校です。主人も最初は“名前だけは聞いたことがある”程度だったのですが、学校説明会に参加したところ、男子だけの学校なのにこんなにも違和感がない学校は初めてだと感じました。暁星幼稚園は2年保育(年中)からの募集なので、記念受験のつもりで受験しましたが、やはり準備不足と試験内容のハードルが高すぎて、完敗しました」