■慶應幼稚舎に合格した男の子の場合(2人目)
「私、慶應幼稚舎っていうブランドに憧れていたんです」
そう語りだすお母様。慶應幼稚舎に合格した男の子のケースをお届けします。
ご家族のスペック
・お父様:地方出身 国立大学卒 一部上場企業勤務 ・お母様:地方出身 MARCH卒 ・お子様:都内人気お受験幼稚園
――慶應幼稚舎受験にいたるまでの経緯を教えていただけますか?
「女子のMARCH出身は青学と立教以外はとにかくモテず、東大や早慶の男性とは縁がなく……。
お食事会でやっと出会ったのがいまの主人です。結婚後は港区に住むのが夢だったので、レインボーブリッジなどの夜景がきれいな湾岸エリアのタワーマンションを購入。
子どもは芸能人御用達の病院で出産。あとは子どもを幼稚舎に入れるだけと、必死に息子を鍛えていました」
――どのような準備をされましたか?
「幼稚園では“国立志望”と宣言していたので、幼稚園ママたちからマークされることもなかったです。通っていたのは、大手のお教室ではなく、自宅近くの中小の教室です。主人の知り合いで、息子さんを幼稚舎に入れている方にご紹介してもらいました。そのほか、港区で人気の絵画教室と体操教室、バイオリン、かけっこクラブに通っていました。
当の息子はいろいろとできるようになるのが遅く、いつもイライラしてばかりでしたが、年長の夏を過ぎたころに、やっとみんなに追いつきました。運動会のかけっこで1位になれたころから本人も自信がついたようで、ぐんぐん伸びていきました」
――実際の受験はいかがでしたか?
「青学、立教を受験するも不合格となり、ペーパーがとくに苦手だった息子には、筆記試験問題を重視する学校はやはり合わなかったか……と思っていましたが、幼稚舎の試験までには何とか気持ちを切り替え、軌道修正することができました。
幼稚舎の試験日程は女子から割り振られた年でしたので男子は少し遅かったんですね(※立教・青学の試験日程は11/1~、幼稚舎は11/5前後~)。
加えて、息子のイケメンっぷりも手伝って見事に合格をいただきました(笑)! インターネットで合格の文字を見た瞬間、港区じゅうに響き渡るのではないか? というくらいの絶叫をしてしまいました!
SNSにも、瞬時に“幸せ”と意味深な書き込みもしてしまいました(笑)」
――幸せの絶頂といった感じですね。
「はい、もう欲しいものはすべて手に入れた気分です。私たち家族だけではなく、祖父母、親戚、すべてを幸せにできる“幼稚舎”ってすごいですよね!? 襟に特徴のある制服姿で毎日登校する息子の姿を見るたびに、そして幼稚舎の門を通過すると学校から届くメールを目にするたびに幸せを感じています。何年たっても幸せです」
「こんなに幸せでいいのか?」と終始、口元が緩みまくりのお母様のお話を伺いながら、この笑顔の裏で泣いているお母様がいるのだと思うと、複雑な気分になりました。
<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design