足の踏み場もない家

 伊東は本当に失踪してしまったのか─。

 そこで彼の所属事務所に問い合わせると、事務所の代表でもあるビトタケシが彼の近況について話してくれるという。

前の事務所を辞めさせられたので、“事務所に入れてくれないか”と相談を受けました。’18年の3月ですかね。前から付き合いあるし、入ってもらったんですけど、その話が終わって帰ろうとすると、フラフラで立つのもやっとという感じで。すると“足が痛い”と。タクシーを止めるために大通りに出ようとするんだけど、なかなか進めなくて途中で座ったり。彼は以前から言ってることがよくわからないことが多いから、冗談かとも思ったのですが」

エスパーと彼の所属事務所代表のビト。関係性は20代からの芸人仲間
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【写真】金銭面でもサポートを続ける芸人・ビトタケシ

 しかし、それは冗談ではなく、足の状態はさらに悪化していった。

家に行ってみると、几帳面だから昔はすごく整理してあったのに、ごちゃごちゃで足の踏み場もない感じで。足が痛くて這って生活していたから、そんな状態になったんでしょうね。そこで痛みもすごいから、芸能界は引退しないけど、休んで治そうという話になったんです」(ビト、以下同)

 会見を開き、休業を宣言した後、治療する病院を探した。

「手術をするか、手術をせずにリハビリをして時間をかけて治していくのかの選択でした。手術の場合は、人工股関節を入れる。その際、“カバンの中には入れなくなる”と医師に言われました。本人とも相談して手術を選びました。だから、もうカバンに入るパフォーマンスはできなくなりましたね……