ローンは厳しいけれど、終の棲家は守りたいという人は、どうすればよいのでしょうか?
「ローンが支払えなくなると、競売にかけられて取り上げられるしかないと思っている人が多いのですが、対処法は多様化してきています。早めに対処することで大切な家を失わずにすむ場合もありますし、失うとしても有利な条件で売却できる可能性も。
放っておいてもよいことはひとつもありません。ローンが苦しいと思ったら、ぜひ、できることがないか探してみてください」(高橋さん)
払える見込みがないのか、一時的に払えないのか
住宅ローンの返済が難しくなっても、それが一時的なことであれば返済期間を先延ばしにする「リスケ(リスケジュール)」で対応できる可能性が。
「日本人の特性だと思うのですが、住宅ローンなどの支払い予定は、絶対に守らなければいけないルールのように思っている人が多いです。しかし。
失業や病気などにより一時的に返済が苦しくなっている場合には、金融機関と話し合ってみると、一定期間は利息の支払いだけでいいなど、返済を猶予してくれたりします。金融機関もできれば不良債権は出したくないのです。
とはいえリスケは支払いが猶予されるだけで、免除されるわけではありません。完済できる年齢が上がれば、返済不能に陥るリスクも上がりますので、安易なリスケも慎重に行いましょう」(高橋さん)
先々も、返済できる見込みが薄い場合にはどうすればよいのでしょうか?
「支払い不能になったら、いくつかの選択肢がありますが、それを選ぶ際にふたつのポイントがあります。
ひとつはローン残債と家の時価との差。時価のほうが高いアンダーローンの状態なら、比較的簡単に生活を立て直すことができます。しかし、残債のほうが高いオーバーローンの場合は、選択肢が限られてきます。
もうひとつのポイントは、家の所有権にこだわるのか、住み続けられればよいのか、ということです」(高橋さん)
このふたつのポイントをふまえて、住宅ローンが支払い不能になった場合の代表的な対処法を紹介します。