虚血性心不全で2月11日に死去した野村克也さん(享年84歳)の告別式が16日に行われた。同日、義理の息子でスポーツエージェントの団野村氏が棺の中で眠る野村さんの写真をツイッターに投稿して、賛否の声が上がっている。
《日本人の感性で言えばありえない。ノムさんに失礼》
批判が殺到する一方で、
《最後の姿を見られて幸せ》
と、告別式に参加できなかったファンからは感謝の声も。
遺体写真の投稿は『2・8万いいね』されるなど、多くの人に拡散されているが、そもそも遺体を撮影するのは、一般的にマナー違反にあたるのだろうか? 葬儀など供養に関するサービスサイト『いい葬儀』では、撮影自体はマナー違反でないと紹介されている。
遺体の撮影OK?NG?
《一部地域では葬儀は日ごろ会えない親戚が一堂に会する場ということもあり、祭壇の前で集合写真を撮るという習わしがあるところも。葬儀での写真撮影は地域の習慣や、遺族の考え方に基づいた行為。
了解も得ず、無断で写真に収めることは、マナーに反します。また親族だからといって、勝手に故人の姿を撮影してよいわけではありません》
親族であり遺族に許可を取っている今回のケースは、撮影だけなら問題ないと言えそう。しかし、ここまで反発が起こったのは、ツイッターに投稿したことが大きいとITジャーナリストの坂本翔氏は指摘する。
「フォローしている人が“リツイート”や“いいね”をすると、投稿者をフォローしていない人のタイムライン上にも表示されるため、炎上しやすい。インスタグラムならフォローしている人しか投稿が表示されないので、ここまで批判されなかったはずです」
目にした人が不快感を示す以外にも、SNS上に投稿したことでトラブルに発展するケースもあるようだ。
《極端な例だと場所が特定され、香典泥棒に入られるなど犯罪につながる可能性も》(『いい葬儀』調べ)
最近では遺体以外にも、整形手術後の腫れた顔の写真など、他人が目にして不快な投稿をする人が増加している。
「ネット環境が身近になった結果、ネットリテラシー(特定の分野の知識)のない中高年や若年者もSNSを利用するようになり、世界中に発信しているという意識の低い人が増えています」(坂本氏)
どうしてもSNSで共有したい場合に配慮すべき点を坂本氏はこう続ける。
「公開設定を“友達まで”にして、不特定多数の人が見られないようにすべきです。
インスタグラムであれば限定公開に加えて、24時間で投稿が消える“ストーリー”での投稿にとどめるべきでしょう」
騒動に巻き込まれないためにも葬儀の写真はSNS投稿しないほうが無難かも?