【入院と介護】
多くの自治体では、高齢のおひとりさまが孤立することのないよう、さまざまな“見守りサービス”を実施している。まずは自分の住む自治体に問い合わせよう。
また自治体では、高齢者向けに栄養指導や運動機能をアップするトレーニングなども無料(または格安)で実施している。
そして、年齢とともに日常生活におぼつかなさを感じるようになってきたら、介護保険の利用を考えよう。
「介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み。高齢のおひとりさまには心強い味方です」
まず、介護が必要な状態がどの程度なのかという『要介護認定』を受ける。認定の申し込みは、地域包括支援センターや役所の介護保険制度相談窓口で行っている。
「認定レベルは、要支援1から要介護5まで。認定を受けると、そのレベルに応じて、使えるサービスの回数や費用が決まります」
自己負担割合は、所得に応じて1~3割。そして、ケアマネジャーが作成した“ケアプラン”にそって、介護サービスを受け始める。
「認定の際は、“1人で大丈夫!”と頑張らず、自分の状態を正直に伝えましょう。公的サービスを上手に利用することが、おひとりさま自身のその後の生活を助けます」
また将来的には、生活に伴うさまざまな支払い作業、財産管理などを自分自身で行うことが難しくなるかもしれない。一緒に暮らす家族がいれば、家族の誰かにやってもらえることも、おひとりさまとなると……。
「身元引受人、任意後見人などを、元気で判断能力が高いうちに決めておくといいと思います」
入院と介護をもっと知りたい! Q&A
Q.入院することに。頼れる家族がいない私はどうしたら?
A.病院や施設によっては入院・入所する際に、料金の精算を責任もって保証し、利用者が万一死亡したときには身柄や遺品を引き取る“身元引受人”の署名を求める場合も。親戚や友人に頼めるならそれがベストだ。
身元引受人になってくれる人がいない場合は、地元自治体や社会福祉協議会が担ってくれる場合もあるので、まずは地域包括支援センターに相談しよう。
「身元保証を含めた、高齢者向けのサポートサービスを提供する事業者もあります。ただ、契約内容や料金などがよくわからず、不安になる人もいるようです。困ったときは消費生活センターや弁護士などに相談するといいですね」