葬式とお墓をもっと知りたい! Q&A
Q.死後事務委任契約って何?
A.自分の死後について希望がある場合は、その内容を指定し、実行を託す『死後事務委任契約』を結んでおくと安心。
「死後事務委任契約で託せるのは、死亡届の手続き、葬儀や納骨の手続き、供養、遺品整理、各種費用の清算などです」
死後事務委任契約は友人・知人とも結べるが、法律上の手続きが多いので、法律のプロと交わすのが一般的。
「司法書士や行政書士も引き受けてくれますが、140万円を超える法律行為を代行できるのは弁護士のみ。基本的には弁護士に頼みましょう」
死後事務委任契約で委任できること
◆医療費の支払いに関する事務
◆家賃、地代、管理費などの支払いと敷金、保証金などの精算に関する事務
◆老人ホームなどの施設利用料の支払いと入居一時金などの受領に関する事務
◆通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
◆永代供養に関する事務
◆行政官庁などへの諸届け事務
Q.生きている間に葬儀の準備をすべき?
A.“自分の葬儀には親しい友達を呼んで、好きな花と音楽で見送られたい”といったプランがある場合、生前にしておく準備は主に2パターンある。
ひとつは葬儀社と生前契約しておく方法。ただし、死亡時に葬儀社が倒産しているリスクも。また、周囲の人に伝えておかないと、意図しない葬儀をあげられてしまうので注意。もうひとつは、死後事務委任契約で希望する葬儀内容を決めておき、その実行を人に託す方法だ。
Q.散骨してほしい場合は?
A.最近は、海や山に散骨されることを望む人も多い。
「散骨は、どこにまいてもいいわけではありません。当然、他人の私有地はNGです。国有地ないし海である必要があります。また散骨の際には、遺骨を骨だとわからない形状に砕く必要があります。
遺骨をそのままの状態で埋めたり、まいたりすると死体遺棄罪に該当する可能性もあります。安易に知人に散骨を依頼すると、その人に思わぬ迷惑をかける可能性も」
散骨にかかる費用は30万~50万円くらい。希望する人は、散骨を行っている業者に頼もう。
(取材・文/鷺島鈴香)
弁護士法人ガーディアン法律事務所代表弁護士。東京弁護士会所属。おひとりさま案件はもちろん、相続対策、離婚問題、不動産問題などで活躍