障害者の再就職はとても難しい
民間には、コロナ禍を乗り越えようと闘う障害者に寄り添う企業もある。
『LORANS.』の代表、福寿満希さんは、経営するフラワーショップとカフェで、45人の障害当事者、難病当事者を雇用。大切にしているのは、不安を払拭するためのコミュニケーションだ。
「難病の方は免疫が弱く感染症にかかりやすい。精神障害がある方の中には不安が強く、過呼吸やパニックなどの症状が出て体調を崩すこともあります。私たちの会社では本人の希望を聞いて相談し、いち早く休業や在宅に切り替えました。自宅にいる当事者には平日は毎日電話をかけ、話をするようにしています」
そんなときに不安の声を聞くことがあるという。
「感染だけでなく、いつ出勤できるのか、会社が存続できるのか、心配している当事者は少なくありません。当事者は仕事にやりがいを持っていますし、また、障害者の再就職はとても難しいんです」
そのため福寿さんらは当事者を支えながら、経済低迷の中、会社を存続させるためにも奔走する。同社は4月から、障害当事者の在宅ワークを中心にアレンジメントやマスク作成に取り組み、オンライン販売にも販路を広げる。
コロナ禍の不安に負けず、助け合いの花は各地で力強く咲いている。