「中指をもむだけ」健康法をご存知だろうか? 「中指もみ」とは、鍼メディカルうちだ院長の内田輝和先生が考案した、韓国に伝わる「高麗手指鍼(こうらいしゅししん)」という治療法がベースのセルフケア方法。
約1分間の中指もみで身体の痛みも軽減
内田先生はこの高麗手指鍼の考え方をもとに指の反射区について独自に研究。中指の先から付け根の間に全身の臓器や器官の反射区が集まっていることを発見した。
「この中指の反射区を刺激すると、対応する部位の血流が改善することも明らかになりました。臓器や器官の血流が促進されることで肩こりや関節痛の緩和はもちろん、糖尿病や高血圧などの慢性疾患が改善、脳梗塞や心筋梗塞の予防効果も期待できます」
「中指もみ」の効果は血流の促進だけではない。中指は全身のほかの部位に比べて皮膚の感知能力が秀でているため、中指を刺激したその感覚が脳へと伝わることで自律神経のバランスも整う。
「中指もみ」の反射区の刺激方法は全部で3種類。症状に合った反射区付近を爪で10秒間押し続ける「圧迫刺激」、部位の左右を爪でツンツンと10回押す「振動刺激」、指の腹で広い反射区を10秒間もみほぐす「回旋刺激」の中から、症状のある部位の反射区の位置や広さに合わせ使い分ける。
「免疫を高めたいときには、肺・首・脳天・胃、副腎の5つの反射区を、それぞれイタ気持ちいいくらいの強さで1分間ずつ刺激。免疫に関わる器官の血流が促されることで免疫力がアップ。さらにその後中指全体をもみほぐすと全身の血流が上がり、より高い効果が」
先生の治療院に通う患者さんの中には、1分間ほどの「中指もみ」で身体が温かくなった、身体の痛みが軽減したといった効果を感じる人も少なくないのだとか。行うタイミングや回数に決まりはないが、起床時と就寝前、さらに日中も2回ほど行えるとベストだと内田先生。
道具もスペースも必要なし。ただ中指を爪で刺激するだけの簡単免疫力アップ習慣、試す価値あり!
(構成/中村明子)
【プロフィール】
内田輝和先生 ◎鍼メディカルうちだ院長。倉敷芸術科学大学鍼灸専攻客員教授。著書に『1分もむだけ! 中指もみ101の症状に効く処方箋』(わかさ出版)ほか。