おっしゃるとおり、分担意識のギャップは大きな問題だ。緊急事態宣言下での保育園閉園に伴う問題を取り上げたとき(学校だけじゃない!緊急事態宣言延長で軽視される「保育」の現場に響く苦悩の声 https://www.jprime.jp/articles/-/17863)女性たちの声を聞いて、今この「新しい生活様式」と呼ばれる中でも分担意識が「昭和」のままな家庭が多いことに驚かされた。

「夫は在宅勤務の大変さを理解していないようで、“家にいる=休み”だと勘違いしているのか、こっちの苦労をわかってくれない。子どもの面倒をみながら仕事ができるわけがない」(40代/会社員)

「夫は家事育児ができないため、私は在宅ワークをしながら毎日、掃除と洗濯、3度の食事作り。夫はご飯を食べて子どもと遊ぶだけの毎日です」(40代/派遣社員)

 いや、もう、このムービーとは雲泥の差。現実は厳しい。クレハ側もムービーを作るにあたっては、

「女性から見るとまだまだ足りない部分もある男性の家事育児参加ではありますが……男性の家事育児参加を促し、また、すでにしている方を応援する動画として、『男性を悪者にすることは絶対するまい』と考えました。またヒアリングの中で『対等なパートナーとして“一緒にやる”』ことを女性が望んでいることがわかり、どっちがやるとかではなく、『家族が助け合いながら一緒にやることを、あたりまえにしたい』という想いをこめました」

 と気配りをしたという。

男性、お父さん側が感じたこと

「NEWクレラップ」のメッセージ・ムービー「僕は手伝わない」編
「NEWクレラップ」のメッセージ・ムービー「僕は手伝わない」編
【写真】動画の間に出てくる、心に響くメッセージ

 たしかに男性を悪者にしがちな、こうした家事育児分担問題。取材する側もついつい女性の声を拾ってしまうが、では、男性はどう思っているのか? このムービーを見て、どう感じたかを男性、お父さん側に聞いてみた。

「夫婦ともに主体的に家事をこなし、二人で子育てしている様子に好感を持ちました。

 こうした生活のための商品を作っている会社の企業広告で、男性側の目線で家事育児を描いたものはなかったと思います。『家族のカタチも仕事のカタチも変わったのだから、僕たちのカタチも変われるはず』というメッセージはとてもいいです」

 そう話してくれたのは、Twitter発、子育て中のお父さんの交流イベント、#ゆるゆるお父さん遠足を発案し、公式サイト運営メンバーのひとりである「子育てとーさん(@kosodate10_3)」さん。6歳の男の子と3歳の女の子のお父さんで、やはりこのムービーを好意的に見ているようだ。ちなみに、ムービーを作った監督も男性だそう。

「子育てとーさん」さん自身、以前は家事育児に全く参加しなかったものの、今では「ワンオペでもある程度まわせる」ようになるほど、家事や子育てをこなしている。

「共働き、かつ会社がフルリモート体制なので、家事はよくする方です。でも、元々は妻が専業主婦だったこともあり、子どもが生まれた後は家族を養わねばという気持ちが先行してかなり仕事を頑張り、家事育児を妻に丸投げ。家庭不和になったりもしたのですが、お金よりも共に育てるということの大切さに気づかされ、トライアンドエラーをくり返しながら前進してきました」

「NEWクレラップ」のムービーでは女性が仕事に早朝から出かけた日、男性が家事を一切こなしながら、画面に「けっこう完璧、」という文字が出る。でも、その直後に置き去りにされた洗い物と、子どもを寝かしつけながら寝てしまった男性の姿が映って、「…とは、いかないけれど」と続く。