「サザンをまたやらなきゃダメだ」

 サザンはヒット曲を連発するが、'86年にいったん活動休止。

「最大の危機でしたね。原坊が出産して休んでいて、桑田は『KUWATA BAND』を1年限定で結成。素晴らしいバンドだったけれど、ズルズルとのびてしまっていた。俺が“サザンのファンが待っている”って桑田に言ったの。

 それで'88年に復活ライブができたんだけど、解散状態だったサザンをまたやらなきゃダメだって、俺がメンバーを説得して歩いたんです」

 サザンを復活させた大森だが'01年、自らが脱退。'06年には覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反で逮捕されてしまう。

「人にすすめられやってしまった。わきが甘かったんです。軽い気持ちでやってしまった。もちろん自分でやったことは自分で責任を取るしかない」

 勾留期間は66日間に及んだ。

「捕まった日は、留置場の中で自殺しようかと思いました。好きなギターは弾けないし……。執行猶予の判決が出て、“おめでとうございます、自分みたいな若い刑事が捕まえてすみません”と言って、花束をもらいました」

 それ以来、薬物に手をのばしたことはない。

「弁護士に“抜き打ち検査をしてほしい”とお願いしたことを、裁判官に伝えました。みなさんに対するせめてものつぐないというか、誠実に生きていこうという気持ちです。14年たちますが、今でも弁護士から急に電話がきて、病院に連れていかれます」