パリの女の大胆さを見習わないと!
木村 おしゃれに目覚めたという意味では、私もパリで大人の女性を見たときですね。
川邉 パリの大人はカッコいいわよね。
木村 そうそう。47年間お洋服を扱うセレクトショップをやっているんですけどね。40代、50代は、パリやイタリアの展示会によく行きました。パリの街を歩いていると、服を「はずす」特技を知ってる。私と一緒やん! と思って(笑)。「はずす」「くずす」「色遊び」この3つが私のおしゃれの原点ですね。
川邉 娘が大学生になったときにヨーロッパの旅に行ったんですけどね。パリの空港で娘が「大人がカッコいい!」って言ったんですよ。あぁ、若い子から見てもそう思うんだって印象に残っていて。
木村 今は日本の大人もある程度、世界と肩を並べられるようになりましたね
川邉 なりましたね。でも30年前の日本は、高齢者が遠慮してた。特に渋谷、青山あたりは若者がすごく元気だから、一方で大人の女性がこそこそ自信のない感じで歩いているのがすごく嫌だった。大人がカッコよくないと、街もきれいに見えない。
ちょうど母の介護もあったもんですから、40代後半で一般の女性をトータルで変身させるサロンを始めたんです。
木村 日本人って隠すじゃないですか。年を重ねるとなるべく肌の露出も控えて。それが奥ゆかしい言葉とつながるのかなとも思うんですけど。なんか勇気がないというかね。
川邉 地味にまとめすぎちゃうのよね。
木村 私がパリの大人から学んだのは大胆に出すこと。首から胸元まで14センチあいたシャツしか買わないし、仕入れない。おっぱい見えるか見えないか……くらいなんだけど、向こうの人ってへっちゃらなんですよ。堂々としている。今日は川邉さんがいらっしゃるんでちょっとね(笑)。 いつもは胸元あけてガチャガチャとアクセサリーつけてます。
川邉 遠慮なんていらないのに(笑)。私ね、日本人ってもともと美意識が高い人種だと思うの。着物の時代は特に着こなしも遊びも上手だった。ところが明治から洋服文化がどんどん入ってきたら、遠慮がちでまどろっこしい。見ていると着ちゃいなさいよ! って思うんだけど、なかなかできないのね。