血管伸ばしストレッチのやり方

 トータル3分程度。できれば、朝晩2回を毎日やるのがおすすめです。

■その1 太ももの血管伸ばし
 そけい部にある大腿動脈はもっとも太い血管。しっかり伸ばすことで、血管がしなやかになる。太ももと足の付け根を伸ばすように行って。

1. 正座をして両手を前につく
 正座をして、軽くおじぎをするように両手を前につく。両手の幅は肩幅程度に広げ、体重をかけすぎないこと。

2. 片足を伸ばして足の付け根を刺激
 1の状態のまま片方の足を伸ばして後ろに引き、足の甲を床につける。顔を上げたまま、30秒キープ。左右各1回ずつ行う。

■その2 ひざ裏の血管伸ばし
 ひざ裏のくぼみにある膝窩(しっか)動脈をストレッチ。ひざに痛みがある場合は、無理をせずに椅子に腰かけてやってもOK。

1. 片足を1歩前に出す
 足先を前に向けてまっすぐ立ち、片足を軽く前へ出す。前に出した1歩は、肩幅の広さが目安。

2. 前に出した足に両手を置く
 上体を倒しながら、前に出した足のひざに両手を重ねて置く。このとき、両ひざは少し曲がっていてもOK。

3. 後ろ足のひざを曲げ、重心を落とす
 後ろ足のひざを曲げ、腰を引き、前足のひざ裏を伸ばす。両手で押しながら30秒キープ。反対側の足も同様に。

■その3 ふくらはぎの血管伸ばし
 ふくらはぎにある腓腹(ひふく)筋や後脛骨(こうけいこつ)動脈に働きかけるストレッチ。身体を正面に倒すときは、負荷が大きいのでゆっくり行って。

1. 正座で座る
 前のスペースを少し空けて正座をする。正座ができない人は、ひざとひざの間を広げて座ったり、2のポーズから始めてもよい。

2. 片ひざを立てて両手を置く
 足首とすねが直角になるよう、片足のひざを立てて、もう一方のひざを軽く外側に開く。立てているひざに両手を置く。

3. そのまま状態を前に倒す
 立てたひざに胸を近づけるよう、徐々に上体を前に倒す。腰は浮いてもいいので、そのまま30秒キープ。反対側の足も同様に。

【ポイント】
★慣れてきたら、それぞれのストレッチを左右2回ずつに増やす。
★伸ばすときは息を止めず、イタ気持ちいいくらいまで。
★ひざや関節などに痛みのある方、持病のある方は、医師に相談のうえ行ってください。痛みが出たらすぐに中止を。転倒や滑るおそれがある場所では行わないでください。

(取材・文/樫野早苗)


《PROFILE》
家光素行さん ◎立命館大学スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科教授。日本体力医学会評議員、日本運動生理学会評議員などを務める。心血管疾患、糖尿病、肥満などにおける運動効果について多くの論文を発表している。