副業でも稼いで老後資金の積み立てを

 いま勤務している会社が今後もテレワークを続けていく方針なのに、前述したような新しいルールが定められていないならば、

「就業規則などで示してほしいと会社に話してみるのもいいでしょう。このような手当は遡(さかのぼ)って請求することがなかなか難しいので、今すぐ会社に確認するのが肝心です」

 給与減額になると、老後は安泰とは言えず、もらえる年金だけで暮らしていくことは厳しいと考えるべきだ、と井戸さん。

「副業をもつことを許可する企業はどんどん増えています」

 全日本空輸(ANA)では、社員の副業を大幅に広げる方針を固めた。従業員が勤務以外の時間を活用できるように、ほかの会社とも雇用を結べるようにした。

「本業だけではなく、副業でしっかり稼いで老後資金を積み立てていくことが大切です」

 さらには、

「税制優遇のある『iDeCo』や『つみたてNISA』なども利用して、老後の備えを万全に整えてください」

 年金だけに頼らず、老後の安泰は自分で勝ち取っていく必要があるのだ。


《PROFILE》
井戸美枝さん ◎ファイナンシャルプランナー、経済エッセイスト。『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社刊)など著書多数。