ほかにもメリットは多く、
「不妊治療で排卵誘発剤を投与している、豊胸手術などを受けてインプラントが入っている、授乳中であるといった方でも、検査することが可能です」と、高原医師。
より多くの女性に、少ないストレスで乳がん検診を受けてほしいという思いから、ドゥイブス・サーチが生まれたと話す。
注目すべきは、見つかりにくいとされている高濃度乳房の検査にも適している点だ。日本をはじめアジアの女性たちには、欧米と比較して、乳腺組織が発達した高濃度乳房が多くみられるという。
「高濃度乳房の人のマンモグラフィーは、密度が高い乳腺が、がんと一緒に白く映し出されてしまいます。そのため専門医が見ても、発見するべき腫瘍を見逃してしまう可能性があるのです」(高原医師)
高濃度乳房は若い世代ほど割合が高いといわれている。年齢にかかわらず、誰もが無関係ではいられないのだ。
約1時間におよぶ検査を体験レポ!
そこで、週刊女性アラサー記者がドゥイブス・サーチによる乳がん検査にチャレンジ! 実際に都内の某病院で受けてみた。日本で現在、この検査を受けられる医療機関は全国22か所。一部の病院では24時間、インターネット予約が可能となっている。
まずは電話で予約し、指定日時に病院へ。受付で「この検査を知ったきっかけ」「受けようと思った理由」などの簡単なアンケートに答えると、MRI室へ案内された。
上下が分かれた検査着に着替えをすませたら乳房型にくり抜かれたベッドの上に、うつぶせになるよう指示される。2人の女性検査技師が、乳房がしっかり穴の形に沿うように検査着を両脇から引っ張って調整。背面から大きなベルトで胸部を固定され、耳栓とヘッドホンをつけたら準備完了。
コロナ禍の影響で、乳がん検査時にも感染予防対策は欠かせない。マスク着用のままMRI装置の中に入ったアラサー記者に、女性技師は「苦しかったら、マスクはずらしても大丈夫ですよ」と声をかけてくれた。緊張をほぐしながら気遣ってくれる、やさしさに感激!
そこからは、目を閉じてじっと待つだけ。ジージーと規則的な機械音が響き、小刻みな電子音や揺れが数分間続いた。当たり前だが、寝ているだけなので痛みもなく圧迫感もゼロ。しいて言えば、快適な呼吸のために、やっぱりマスクをずらせばよかった……。
撮影自体は20分ほどで終了。MRI室に入ってから出るまでは1時間ほどだった。検査を終えると「身近な人にこの検査をすすめたいと思うか」などといったアンケートに回答し、会計へ。結果は撮影した写真とともに後日郵送されるとの説明を受けて、人生初の乳がん検診は終了した。
記者の母親や、周囲のマンモグラフィー経験者から「痛い」という感想ばかり聞いていたので拍子抜け。しこりや痛みなど症状を検査時に伝えておくと、その部分が大丈夫かどうかもレポートしてくれるので、不安を具体的に解消できる。いいことだらけと思ったものの、気になったのは金額面。どこの病院でもドゥイブス・サーチの乳がん検査は、2万〜3万円の費用がかかる。もう少し低価格であれば、ぜひオススメしたいと強く思う記者だった。