いろいろなダイエットに挫折する人は多いだろう。
「それは、そもそも味覚が狂って“デブ味覚”になっているからです。こってりした味や甘い味は依存性が高く、食べたり思い浮かべたりするだけで、脳の“快楽物質”ドーパミンが作られ『もっと食べたい』という欲求が起きるのです」
とダイエット外来の内科医、工藤孝文先生は語る。
そんな“デブ味覚”を正常な“やせ味覚”に戻すのがやせる出汁(だし)。日本人が好むうまみを活用した出汁を1日1杯、2週間飲み続ければ、舌の味蕾細胞が生まれ変わり味覚はリセット。
「“やせ味覚”に戻れば、不思議とあっさり味のやせる食事で満足できます。食べたい気持ちを我慢するストレスもなく、ラクにやせられます」(工藤先生)
加えて脂肪燃焼、お通じ改善の効果が注目だ。
《まずはデブ味覚をチェック!》
□コンビニ弁当やスーパーの惣菜がおいしい
□おなかがすかなくても時間になったら食べる
□肉はヒレより断然ロース!
□焼き鳥はいつも塩よりタレ派
□こってり味が大好き
□スイーツは当然、別腹
□添付のタレやドレッシングは残さず使い切る
□ソース、ケチャップは必ずつける
□外食が週5回以上の食生活
*ひとつでも項目に当てはまれば、あなたも“デブ味覚”の可能性が……!
■「やせる出汁」が効く理由
1.便秘解消……うまみ成分のほか、昆布、茶葉に含まれる水溶性食物繊維などが作用。腸内環境を整えて、お通じをよくする
2.食欲抑制……「うまみ」に満足感があり、かつお節のヒスチジンが食欲を抑制。昆布や緑茶のグルタミン酸が脳の視床下部に働きかけ、食欲が安定
3.ストレス緩和……出汁の香りと有効成分がイライラを防止し、幸せホルモンをアップしてストレスを和らげる。ダイエットの大敵“ドカ食い”も防ぐ
4.脂肪燃焼……出汁のうまみが内臓の味覚センサーに作用して、体内代謝をアップ。エネルギー消費を高めて、脂肪を燃焼させる
■材料は4つ
・煮干し……10g。頭と内臓は取り除かない。サイズも問わず
・かつお節……30g。スーパーなどで手に入る、ふつうのかつお節でOK
・刻み昆布……10g。塩昆布ではなく、塩分を使用していないものを
・緑茶(茶葉)……5g。緑茶の茶葉であれば何でもOK。お好みで抹茶やほうじ茶でも
■基本の作り方
1. フライパンを中火にかけ、煮干しをちぎり入れて、からいり。パチパチ音がしたら、かつお節を入れ、空気を含ませるように混ぜいる。かつお節が手で軽く崩れる状態になったら火をとめる。
2. ミキサーに、刻み昆布、緑茶、1の順番に入れて細かく撹拌(かくはん)する。
3. パウダー状になったら完成!密閉容器やビンなどに入れて、冷暗所で保存する
(取材・文/宮下二葉 )
【PROFILE】
工藤孝文先生 ◎内科医。糖尿病内科医・東洋医学医。工藤内科副院長。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は診療を行いつつ、全国で血糖値と肥満の関連についてなど生活習慣病の講演会を行っている。