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【日常の収支編】ネットに弱いとお金で損をする
「水道・光熱費の節約なんて意味がないと思う人もいるかもしれませんが毎日、確実に使い、10年20年と積み重なれば、大きな額になります」
そう話すのは、ファイナンシャルプランナーの前田晃介さん。水道・光熱費以上に節約効果が高いのが、通信費。
「通信費は、トータルでかなりの金額を支払っていることが多いのです。通信費の料金体系の見直しや手続きは面倒かもしれませんが、水道・光熱費と同様、1回見直してしまえば、あとはずっとコストが下がった状態が続くので、時間をかけてでもやる価値はあります」(前田さん、以下同)
また、苦手意識から敬遠しがちなのが、キャッシュレス決済やネット銀行などの活用。
「これからはデジタルに弱いと損をする時代。クレジットカードのポイントやネット銀行の金利の高さを知れば、やらない手はありません。家族に教えてもらうなど、まずはキャッシュレスに慣れることから始めてみましょう」
●第1問
4人家族で1人1日10分、シャワーを使います。シャワーヘッドを節水タイプに買い替えた場合、10年間で節約できる水道代は?
(1)8万円 (2)12万円 (3)16万円 (4)24万円
【正解】(3)……シャワーヘッドひとつで節約効果は大
シャワーヘッドを手元のボタンでお湯が止められる節水効果のあるタイプに替えると、約48%(※1)の節水が見込める。4人家族がシャワーを1日10分(※2)ずつ使うと、1年間の水道代は約1万6600円の節約になり、10年では16万6000円(※3)にも!
※1 環境省サイト内「対策名 節水型シャワーヘッドの導入」を参照
※2 4人家族で1人当たりの使用水量は10リットル/分と想定し、1か月を30日として計算
※3 1リットル当たりの単価を0.24円として計算
●第2問
Aさんは専業主婦、Bさんはパート勤務をしている兼業主婦で、年100万円の収入があります。Aさん、Bさんの1年間の家計収支の差は?
(1)38万円 (2)45万円 (3)68万円 (4)100万円
【正解】(3)……収入が増えた分、支出も増える
パートやアルバイトは、一定の範囲内であれば税金はかからない。パートの年収が100万円なら税金はゼロで、家計は100万円のプラスに。ただ、共働きの家庭では外食などの支出が増える傾向があり、月平均で2万6647円(※4)支出が多く、年間では約32万円に。100万円から32万円を引いた68万円がプラスになる。
※4 生命保険文化センター内のデータ(総務省「家計調査報告」/2019年)を参照
●第3問
携帯電話を大手携帯会社(※5)から格安SIMに乗り換えた場合、5年間の差は?
(1)約7万円 (2)約16万円 (3)約24万円 (4)約31万円
【正解】(4)……1年間でも約6万円の差
大手携帯会社(キャリア)と格安SIMの平均月額料金を比べると、大手携帯会社は8023円、格安SIMは2889円(※6)と、1か月でもかなりの差。これを1年続ければ約6万円になり、5年では30万8040円もの差がつく。
※5 docomo・au・SoftBankを大手キャリア(MNO)、Y!mobile・UQmobileをサブブランド、それ以外をMVNOと定義。楽天モバイルはMNO事業者(自社でモバイル回線を有している会社)としては1年目無料キャンペーン中のため除外
※6 MMD研究所「2019年スマートフォンの料金に関する調査」
●第4問
ふだんの生活のなかで、すべての支払いをクレジットカードにしました。3年後に貯まったポイントを使って、海外旅行(往復航空券)は、どこまで行ける?(月の生活費25万円、還元率1%とします)
(1)韓国(ソウル) (2)タイ(バンコク) (3)ハワイ(ホノルル) (4)フランス(パリ)
【正解】(4)……1年分のポイントで近場の海外に行ける
月の生活費25万円を還元率1%のカードで払った場合、1年で3万ポイント。これを航空会社のマイレージに1ポイント=1マイルで移行させると3年で9万マイルとなり、フランス(パリ)までの往復航空券2人分に。条件によってはビジネスクラスも(※7)。
※7 航空会社の特典航空券は、搭乗クラスとシーズン(通常・閑散・繁忙)によって、必要となるマイル数が変わる。エコノミークラスの通常期の必要マイル数は、韓国(ソウル)1万5000マイル、東南アジア(タイなど)3万5000マイル、ハワイ(ホノルル)4万マイル、ヨーロッパ(フランスなど)5万5000マイル
●第5問
30歳から60歳までパートで働いたAさんの年収は100万円、Bさんは150万円でした。
2人が90歳まで生きたとしたら収入の差は?
(1)約300万円 (2)約800万円 (3)約1300万円 (4)約2000万円
【正解】(3)……一生涯だと差がどんどん広がる
Bさんは税金や社会保険料がかかり、39歳までの手取りは年124万6000円(※8)。40歳以降は介護保険料が引かれて手取り減(※9)。一方、税金のかからないAさんは手取り3000万円。さらにBさんは、国民年金に厚生年金が年間約24万6000円(※10)上乗せされ、65歳から90歳まで年金を受け取ったとすると、Aさんより615万多くもらえる。パート時代の差額と年金の差額を足すと、1287万5000円になる。
※8、※9 負担する社会保険料を14%、40歳以降は介護保険料も加わるため15%と想定して計算
※10 厚生年金額の計算式:給与×5.481÷1000×厚生年金加入月数
●第6問
毎月の支出は30万円、これをすべてクレジットカード(還元率1%)で支払ったら、20年間でどのくらい得をする?
(1)約20万円 (2)約36万円 (3)約50万円 (4)約72万円
【正解】(4)……お得な還元率、利用する価値アリ!
還元率1%なら100円使うと1ポイント貯まる。支出をすべてキャッシュレスにして、毎月30万円の支払いを20年間続けると、72万ポイント(※11)に。貯金しても1%の利息もつかないこのご時世に、利用するだけでポイント還元が受けられるのは得しかない。
※11 30万円×20年間×1%=72万ポイント
●第7問
200万円を定期預金に預けます。大手銀行とネット銀行では、5年間でどれくらい利息に差が出るでしょう?
(1)1万1680円 (2)2万3360円 (3)3万5040円 (4)4万6720円
【正解】(3)……ネット銀行は圧倒的に得できる
大手銀行の場合、5年後の金額は200万200円(※12)。一方、ネット銀行は203万5240円(※13)。その差は3万5040円(※14)となり、正解は(3)。せっかく預けるなら、金利が高いネット銀行のほうが、圧倒的にお得。使い勝手も踏まえて1度リサーチしてみては。
※12 大手銀行金利:0.002%で計算
※13 ネット銀行金利:0.35%で計算
※14 税金は加味せず。実際には利息に対して20.315%分の税金が差し引かれる