突然死を防ぐプチ習慣〈後編〉
【6】いい油をとるならアボカドを
良質な油をとることは、手軽にできて効果大の突然死予防策に。良質な油の代表格として、「オメガ3」グループの油をあげる。
「亜麻仁油、エゴマ油がオメガ3に該当します。オメガ3の油は血管の詰まりを防いだり、動脈硬化を予防する効果があるのです。亜麻仁油は熱に弱いので、生野菜、豆腐、納豆にかけて摂取してください。一方、食べ物から油をとるならイチオシはアボカド。アボカドは栄養価が高く、動脈硬化や高血圧などを予防し、豊富に含まれるビタミンEは老化予防にもなります」
【7】時間のブロッキングで空白の時間をもつ
気持ちは若くても、年齢には勝てない。昔とは違うことを認識し、自分をいたわるようにしよう。
「50歳を過ぎたら、意識的に心身をリセットする時間を持つべきです。例えば、毎週水曜日の夜7時から8時は仕事や家事を一切やらない、などとルール化する。自らストレスを遮断し、のんびり過ごせる時間を設けるわけです。このような『時間のブロッキング』を行い、ストレスや疲れをため込まないのも、血管を健康に保つ知恵ですね」
【8】血圧を測って血流改善
大きな病院や街の医院に置かれていたり、自宅に備える人も多い血圧計。血圧計での血圧測定が、実は血流をよくする効果あり!
「血圧を測る際は、まず腕の血管を締めつけてストップ。その後、締めつけが解かれ血液がさーっと流れ始めます。この一連の動きが血流をよくするのです。1で紹介したグーパー運動や、腕と脚にベルトを巻いて行う加圧トレーニングも同様に血流をよくします」
【9】血管ストレッチでNOを増やす
運動不足だと血管の老化が急速に進み、詰まったり破れやすくなってしまう。運動には血管を拡張させる物質であるNO(一酸化窒素)を増やす効果があり、NOの分泌を促す「血管ストレッチ」として、ふくらはぎの運動をすすめる。
「『第2の心臓』と称されるふくらはぎの筋肉を刺激すれば、そのポンプ機能がアップして、下半身から全身の血流をよくします。運動の方法は簡単。(1)両足を前後に開き、ふくらはぎが伸びるのを感じるまで、上半身を倒す。(2)前に出す足を逆にして同様に行う。ぜひトレーニングしてみてください」
(取材・文/百瀬康司)
杉岡充爾先生 ◎日本循環器学会専門医、すぎおかクリニック院長。千葉県船橋市立医療センターの救急医療に約20年従事したのち、開業。『強い血管をつくれば健康になる!』など著者多数