ほかにも問題が山積み
医師不足も指摘される。
「人口の密集している県庁所在地などでは問題ありませんが、山間部などは医師が足りていない地域もあります。ほかにも、遠方の接種会場に行けない高齢者のための送迎バスの手配や、その運転手の確保など、課題が多いです」
離島には別の問題も……。
「接種後にはアナフィラキシーショックが起きる可能性があるため最低30分間、医師が経過観察をします」
30分以降に症状が出る可能性もゼロではなく、
「島がいくつもある地域の場合、医師は迅速な接種を行うため、次の島へすぐに向かわなければなりません。万一、医師が離れた後に症状が出たら、ヘリコプターで救急搬送するので、費用も手間もかかってしまう」
ワクチン接種は始まるが、供給体制が不透明で、無事に接種するまでのハードルも高いというのが現状だ。
そんな中、3月28日に接種会場を変えることでワクチンを選択できると報道されたが、直後に撤回された。
日本が現在ワクチンの供給契約を交わしているのは、米ファイザー社、米モデルナ社、英アストラゼネカ社の3つ。違いはあるのだろうか。
「3つのワクチンは有効性や副反応に大きな差はほとんど確認されていません」
接種後の副反応は、発熱、倦怠感、頭痛、注射腫れなどがあるが、恐れるほどのものではない、と村上さん。
「発熱したら、解熱剤を飲んでも大丈夫なんです。どのメーカーのものかにこだわらず、できるものを最速で接種してほしいですね」