《いよいよ夢の舞台。感動と勇気をありがとう。オリンピックでのご活躍を祈念しています》
4月5日、安倍晋三前首相が自身のツイッターで称えたのは、競泳日本選手権で100メートルバタフライを制した池江璃花子選手。3年ぶりの優勝以上に沸かせたのは、彼女が400mメドレーリレーのメンバーとして東京五輪への出場権を手にしたからだ。
2019年2月に白血病であることを公表し、以降はすべての公式戦出場を取りやめて療養に専念した池江選手は、同年12月に東京五輪への出場を泣く泣く断念。ところが2020年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により五輪の延期が決定すると、7月に新国立競技場に立ち、
《希望が遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても前を向いて頑張れる。1年後の今日、この場所で、希望の炎が輝いてほしい》
と、世界に向けてメッセージを発信。すると翌8月に競技会への出場を果たしてみせたのだった。スポーツ紙記者は「やっぱり“モノ”が違う」と驚きを隠さない。
「水泳選手としての実力は当然のことながら、アスリート、いや、人間としての強靭(じん)な精神力を持ち合わせている。開催自体を疑問視する声も見受けられる現状ですが、彼女は東京五輪の“シンボル”として、五輪を開催したい政府やテレビ局、広告代理店にとっての“救世主”になりそうです」
各メディアが偉業を報じ、白血病からの復活劇を特集する一方で、池江選手の“闘病生活に関わった”とされる人物についてはほとんど触れられなかった。なべおさみだ。
手をかざして人の病を癒す
かつては勝新太郎やハナ肇、森繁久弥の付き人にはじまり、やがて司会や俳優業もこなすマルチタレントとして活躍したなべ。そんな彼が、息子・なべやかんの「大学替え玉受験」騒動以来にマスコミから注目を浴びたのが、池江選手との“深い仲”だった。
2019年に『週刊新潮』(9月5日号)が、世田谷区内にあるなべの自宅を訪れる彼女の姿をキャッチ。並んで歩く写真も掲載して《奇怪なる巡り合い》と報じたのだ。なんでも、彼はがん患者に“気”や“パワー”を送って“施術”しているというもので、王貞治氏をも治療したという、にわかに信じがたい内容だった。
同じく『フライデー』(9月13日号)でも同様の写真を抑えて、なべの知人の話として《なべさんは、手をかざすことで人の病を癒すことができると周囲に豪語しています。池江選手がその噂を耳にして、紹介してもらったのかもしれません》と、2人の関係性を伝えた。
さらに『新潮』は続報として翌週、なべによる《オカルト治療》が続けられているとし、さらに『桜を見る会』が始まる前に撮られたという、なべファミリーと安倍晋三前首相夫妻との特別な記念写真を掲載して、その人脈の広さを知らしめた。
かつて安倍前首相はトランプ前大統領との会談後、米国から帰国して真っ先になべのパーティーを訪れた経緯がある。スピリチュアル好きで知られる昭恵夫人とともに、前首相もまた“患者”なのだろうか。