「非正規だから……」の思い込みは損!
●パートは有給休暇を取れない
→6か月以上勤務等なら非正規でも権利あり
パートでも有給休暇を取れることは労働基準法39条に記されている。「雇用後6か月以上の勤続期間と、全労働日の8割以上の出勤があれば、有給休暇を取る権利があります」1週あたりの所定労働時間が30時間を超えれば、初年度10日の有給休暇がもらえる。
●業績悪化の賃金カットはやむをえない
→十分な合理性がなければ認められない
就業規則の変更や労働協約などによらなければ、一方的な賃金カットは不可能。「パートなど非正規社員の場合も、十分な合理性がない限り認められません。役員の報酬カットなどの経営立て直しの努力が尽くされていなければ、従う必要はありません」
●正社員より待遇が悪くても仕方ない
→「同一労働同一賃金」の指針で格差是正へ
非正規社員の中には正社員と同様にフルタイムで働き、同様の仕事をこなす人もいる。「にもかかわらず、賃金など待遇に差があるのは不合理とし、『同一労働同一賃金(別名パートタイム・有期雇用労働法)』の指針ができました。格差是正が期待されます」
交通費が出なくなった
スーパーのパートです。1日400円の交通費が出るので電車通勤でしたが、収入の足しになればと自転車通勤に変えたら交通費が支払われなくなりました。
→通勤手当の支払い基準を確認する
原則として、交通費支給に関する法律上の定めはなく、交通費を支給するかどうかは雇用主の判断になる。
「交通費を出す会社は、額や条件を就業規則などに明記しています。まずは、その内容を確認すべきです」
交通費が発生する距離や実費での支払いなど、条件は会社ごと自由に設定できるというわけだ。
「規定が実費計算となるなら、交通費は請求できません。自転車通勤だと費用負担はないからです。しかし、一律支給など通勤すること自体に対する手当として規定されているなら、自転車通勤に切り替えたとしても交通費を請求できる余地があります」