休日出勤させられる

 コンビニで1日に実働8時間、週5日パートをしています。休日に店長から「人手が足りない」と連絡がきて駆り出されます。断ったらクビになりますか。
→労働基準法違反で断れる

 原則1週間で40時間、1日8時間を超えて従業員を労働させることはできない(労働基準法32条)。休日出勤を強制できるのは労使間の三六協定がある場合のみとなる

「三六協定とは労働基準法36条に基づくものです。ただ、個人経営のコンビニだと必要な手続きを取れず、三六協定がない場合も。そんな場合には、労働基準法に基づいて休日出勤を拒否できますし、断っても何ら問題ありません

 やむをえず休日出勤をする場合は、週40時間の範囲内で代休が取れるか、休日出勤には1.25倍の割増賃金が支払われるかなどの要件を確認し、不利益を被らないようにしよう。

始業前に掃除させられる

 個人経営の会社で1日実働8時間のパートをしています。社長に「始業前に掃除してね」と言われ、15分早く出勤しますが給料に反映されません。
→業務命令の早出は残業代が出る

 業務命令として掃除に従事する時間は法律上の「労働時間」にあたり、慣習的な指示であっても同様の扱いになる。

「9時始業の契約なのに8時45分から掃除をするなら、所定業務時間外となり15分間は残業代が発生します。このケースは1日8時間の法定労働時間を超えるので、割増賃金の対象にもなります。したがって、会社側に未払いの残業代を請求できます」

 外部の労働組合などを通じて交渉するのがセオリーだが、その前に同僚と一緒に社長に直談判してみることを岡野さんは助言する。

労働法などを知らず無意識に時間外労働を強要している社長さんは少なくありません。1人だと声を上げにくいですが、仲間を募って話せば理解を示してくれるケースもあり、『では、残業代を出そうか』と折れてくれる可能性が高いといえます」