'19年3月に出演した介護施設を舞台にした作品では、主演の20歳の女性を熱演。コロナ禍でやむなく中止となったが、昨年3月に発表予定だった作品でも主演に抜擢。舞台は学校がなくなった世界。奥村さんはアンドロイドの先生という難役を務めた。

「稽古をするうちに、登場人物の人生が見えてくる。1年かけてひとつの人物像を作り上げていく面白さがあります」

 と演劇の魅力を語る。さらにうれしい効果も。

「1週間に1度稽古があるので“セリフをここまでは覚えなきゃいけない”と、生活のリズムもできます。稽古を休むと迷惑をかけてしまうので、体調を崩さないように気をつけるようにもなりました」

 いまでは演劇や落語のほかに、2か所のダンス教室に通うなど、活発な日々を送る。

「若いころから演劇に興味はありましたが、許してもらえないような家。でも高校の文化祭で演劇をやり、みんなで作り上げる面白さをずっと思い続けていました。私のソロ活は“自己表現の場”です」

 これからソロ活を始めようと思っている同年代にはこうエールを送る。

「“迷ったらGo!”です。思うものと違ったなら、“今日はハズレだな”って帰ってきたらいいだけ。まずは一歩踏み出すこと。Go!」

80代でYouTubeデビュー!

「Hey Siri。今日本でいちばん流行っている歌はなんですか」

 アイフォンの音声アシスタント「Siri」に声をかけるのは、千葉県在住で「逆さ歌」の名人の中田芳子さん(89)。45年以上ピアノ講師としても活躍。今でも週末に2人の生徒を教えている現役教師だ。

 逆さ歌とは一見、意味不明な歌詞をピアノの弾き語りとともに録音し、逆再生すると完成した楽曲が聴こえてくるというものだ。

「逆さ歌の魅力は“逆再生のメロディーの不思議さ”ね。例えば『アメイジング・グレイス』は逆再生でも本当にキレイなんです」

 そう語る中田さんは実に約35年、『逆さ歌』を続けてきた。