必要あれば成年後見も

 こういった事前準備ができないまま親の認知症が進むなどして意思疎通が図れない状態になると、やっかいなことに。金融機関が口座を凍結してしまうことも……。

 その場合は、判断能力が不十分な人の権利を守る「成年後見法」に基づき、家庭裁判所が任命した後見人でないとお金を引き出せなくなる。

「家裁が家族を任命してくれればいいのですが、弁護士などのプロを任命してしまう可能性があります。その場合、自分たちが親のために何かしたいと思っても、なかなか手出しできなくなるし、プロに払う手数料が月数万円かかったりして大変です。“任意後見”といって、親に判断力があるうちに、子の誰かを後見人として指名してもらう方法ならおすすめですが……

 結局のところ、早めの準備が重要ということ!

足りない分は早めの話し合いで

「親のお金の状況がはっきりしたら、家族会議を開きましょう。親のお金でなんとかなりそうなら、子どもは出さないでおこうと決めておくのです。ただ、遠距離介護などになった場合、その交通費をどうするかという問題も出てきます。親のお金でまかなえそうにない場合は、介護や通院付き添いなどを担えないきょうだいが負担するなど、腹を割って話し合いましょう

 お金の出どころは早い段階で冷静なうちに話し合っておくのが肝心!

「さもないと、誰かが不満をため込んで、後から大爆発して禍根を残す、ということになりかねません」

 親のお金がまったくない、子も金銭的な余裕がない、という場合は……。

「福祉事務所に相談してみましょう。要件が当てはまれば生活保護を利用できる可能性があります」

■親が倒れた!?そうなる前にあなたが準備すべきこと

まずは…
●親のお金事情を確認!!
●キャッシュカードの暗証番号を知っておく
●成年後見を考える
●不足分の分担をきょうだいで話し合う