藤川さんがとある資産家の方とカフェで待ち合わせをしたときのこと。その人は店内に入ってくるなり、「危なかった~! ここに来るまでにコンビニがたくさんあって、買い物の誘惑に負けそうになったよ!」と笑っていたそう。浪費の誘惑に負けないように、普段からコンビニのある道をなるべく通らない……そこまで節約意識を徹底している一例だ。
手の甲にメモして買いすぎをストップ
「こんなにお金を持っている人でも、そんなことを考えるんだと驚きました。最近はコンビニでも安価な商品が増えましたが、彼らは基本的には割安なスーパーで買い物をしていて、業務用スーパーなども愛用しているようです」
別のエピソードもある。藤川さんがあるお金持ちの女性の買い物に同行したときに、「私はカートを絶対に使わないんです」と言われて驚いたそう。カートはお客さんがたくさん買い込むための店側の工夫で、その女性は「自分の手でカゴを持って重みを感じないと、つい買いすぎちゃいます」と笑っていた。
さらには、買い物には夫や子どもを連れていかないというのもルールのひとつ。いつの間にか、カゴの中にお菓子やおつまみが入っていたりしないよう、予定どおりの買い物をするためだ。また、別の女性は買い物リストを作るとき、メモ帳を使わずに手の甲に書くことにしているという。理由は、余白が多いとそれだけたくさん書けてしまうから。
「手にたくさん書くと目立ってしまって恥ずかしいし、スペース的にそんなに書くこともできないので、結果として必要最小限のものだけ厳選できる。自分が買い物の誘惑に弱いことを知っていて、本当にいろいろと考えているんだなと感心しました」
1億円を貯める人の家にも共通点は多い。貯めている人の家庭は物が少なく、すっきりとしている傾向がある。
「一方、貯められない人の家には、玄関先に土だけのプランターがあったり、靴箱の上にはクレーンゲームで取ったぬいぐるみがズラリと飾ってあったりします。きれいに並べてあっても、実は物の管理ができていない証拠。物の数だけ使われたお金があり、物の管理ができない人は家計管理もできないことが多いです」