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 ただでさえ難しいと言える女性同士のつきあい。特にママ友というと、年齢から、学歴、出身地とバックグラウンドがそれぞれ異なるため、価値観の違いから意見も相違してしまいがち。ライターでママ友研究家でもある筆者が、そんなママ友づきあいに悩んでいるママにスポットを当てます。

祖父母が保育園の送迎
東京出身ママが羨ましい

 東京都内で5歳の男児を育児中の寛子さん(仮名・34歳)は、夏休みの時期が来ると、自分がほかのママと比べて地方出身であることがハンデに感じるそうです。

「私は、大学進学をきっかけに地元の岡山から上京しました。弟が1人いるのですが、弟も専門学校か大学に行きたいと言っていたので、私は親から『お前は女なんだから、地元で短大か専門学校に行け』と言われていたんです。でも、どうしても東京の大学に行きたいといったら、『早稲田か慶応ならいいよ』って言うんです。多分、早稲田と慶応しか東京の大学を知らなかったからだと思うのですが……。悔しかったのでそれから1日10時間以上勉強して、なんとか合格して上京しました」

 ほかに東京の大学に進学した同級生は、女性では2人しかいなかったと言います。さらに努力の末、寛子さんは大手食品会社に就職しました。

「マスコミに興味があったものの、地元には戻りたくなかったので、倒産などしなそうな食品会社や、電機メーカーなどの大企業を中心に就職活動をしました。職場では、自分と同じように地方出身者も多く、あまり引け目は感じなかったんです。でも、子どもが保育園に通うようになると、意外にも都内出身の人が多くて……

 寛子さんは、大学時代の先輩と結婚。夫も地方出身者で、帰省には新幹線か飛行機を利用しなければなりません。身近に親類がいない中、働きながら育児するのが大変だったと言います。

「夫は電機メーカーのエンジニアです。帰りはほとんど深夜。私もしばらくは時短勤務をしていましたが、復帰後1年経ってフルタイムになると、お迎えにベビーシッターなどを利用してなんとか働いていました。そういうとき、東京が地元のママ達は、ばあばやじいじが当たり前のように迎えに来ていて、その後も祖父母の家で子どもを預かってもらっていると聞いて、羨ましく思いました」

 また、保育園の行事や七五三などの祝い事でも地方格差を感じたそう。

「コロナ前は、保育園行事に祖父母も参加できたんです。そのため、いつも観に来ている家庭もありました。うちは、子どもが生まれたときには帰省しましたが、それ以来ずっと帰っていないため、写真でしか子どもの姿を見せていないんです。実家が飲食店で自営業のため、長期の休みがとりづらいのもあって。いつでも子どもの姿が見せられたり、七五三を一緒に祝えるのも、親が近所に住んでいるメリットですよね……」

 寛子さんは、大学受験するまでは上京することだけで頭がいっぱいだったと言います。

「大学生のころは、そのまま東京で子育てするとは思っていなかったんです。実際に東京で子育てしてみると、知り合いもいないし最初は孤独でした。職場に行けば、同じような境遇のママもいるのですが、結局はみんな育児と家事で休む暇もなくて大変だと言います。もっと地方出身者の人でも育てやすい環境になればいいのにと思いますね」