ちなみに、と後田さんはつけ足す。
「この死亡保険は保険料が運用される『変額保険』です。運用や貯蓄を兼ねて利用する人もいますが、高額な手数料が取られていて、さらに運用結果によっては払戻金が減ることも。保険での運用や貯蓄は一切おすすめしません」
一方、今野さんは医療保険には入っていたほうがいいのではないかと考えている。
「私が気になっているのは、持病があるため、遠くないうちに予防のための手術で数日間入院する可能性があることです。いま解約してしまうと入院時の給付金がもらえなくなってしまうので、もったいないかな……と」
貯金で払えるなら保険はいらない!?
後田さんは、医療保険についても「お金のリスク」で見るべきだと解説する。
「これまで20年近く保険料を払ってきたこともあり、途中で解約するのはもったいないと感じる気持ちも当然です。では、入院したときのことを考えてみましょう。まずこの保障では日額5000円のお金がもらえます。もし1週間入院すると3万5000円ですね。そのために毎月3000円ほど支払っているわけです。入院費の自己負担額は1日1万~2万円程度ともいわれますが、5000円をもらわないと払えない額ではないですよね」
入院1日で5000円をもらうために、年間3万6000円を30年近く払い続ける必要はないということだ。
「たしかに貯金で払えない額ではないですね。でも女性の病気への備えはあってもいいですよね……? 女性特有の病気にかかるリスクに備えておけると安心かなと思ったのですが」と今野さん。
「もちろん女性特有の病気にかかるリスクはありますが、先ほどの話と同様、貯蓄でまかなえるような日額5000円の入院給付金のためだけに、わざわざ2000円ちょっとを毎月払い続ける必要はないと思います」