自分の体質に合った薬を選ぶべし
【漢方薬・サプリメント】
漢方・サプリメントでは、風邪薬で最多の回答数となった『葛根湯』が再びトップに。
「肩こりや頭痛にも効く」(50代・女性)
「身体を温める効果もあるので」(30代・女性)
次点も、同じく漢方薬の『麻黄湯』。発汗作用があり、こちらも風邪のひき始めに飲まれることが多い。
「薬局などで手に入りやすいものが選ばれているのでは? 漢方薬は、使う人の症状や体質に合わせて服用するのが基本。そのためアンケート結果からも“私はこれ”といったこだわりが見られますね」
と、久里先生。とはいえ素人目には違いがわかりにくく、判断が難しい。漢方薬を選ぶ際のポイントは?
「いちばん簡単な方法は、パッケージにある体力の説明を読むこと。“中等度以上”とか、“中等度以下”とか、どんな体質の人に向いた薬なのか書いてあるので、そちらをチェックしましょう」
この部門に限って、更年期障害や生理前のイライラや肌荒れなど、女性特有の症状にアプローチしたものを挙げる人が目立つ。
「更年期なので、『加味逍遙散』を飲んでいる」(40代・女性)
「『エクエル』を飲んでイライラ感がなくなったように思う」(40代・女性)
『加味逍遙散』は更年期障害や月経前症候群(PMS)などによく使われる漢方薬。『エクエル』は、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た働きをする成分「エクオール」が含まれたサプリメントで、更年期障害や、閉経後に増える骨粗鬆症の予防効果が期待されている。
「サプリメントは品質の見極めが難しい。メーカーの信頼性や手に入りやすさ、価格など、総合的に判断して適切に選ぶのがいいと思います」
●「漢方薬・サプリ」回答数トップ3
1位 葛根湯 8票
2位 麻黄湯 4票
3位 ルテイン 3票
かかりつけ薬剤師へ気軽に相談を!
前述のとおり近年、処方薬だったものが市販薬として購入可能になる「スイッチOTC化」が活発化している。自分で薬を選ぶ機会は今後、ますます増えていきそうだ。
「病院で処方された薬を飲むのが普通だった時代から、自分の健康について主体的に取り組む時代に変わりつつあります」(久里さん、以下同)
そうした中で気をつけなければならないこともある。
「市販薬も使い方を誤れば症状が悪化しますし、副作用が生じるおそれもあります。例えば、頭痛で鎮痛薬を服用していたのに、飲みすぎると反対に『薬物乱用頭痛』と呼ばれる慢性的な頭痛を引き起こすこともまれにあるんです」
適切に薬を選び、健康を守るためにカギとなるのは、「かかりつけ医」ならぬ「かかりつけ薬剤師」の存在。
「薬局はもちろん、ドラッグストアには薬剤師が常駐している店もありますし、薬剤師が不在でも、医薬品を販売できる資格を持った登録販売者が必ずいます。なんでも相談できる人を見つけておくのがおすすめです。選び方や飲み方、服用中の薬との飲み合わせなど疑問点や不安があれば、気軽に相談してほしいですね」
〈取材・文/高橋ももこ〉