「ラムダ株は昨年末にペルーで確認されました。そこから感染が一気に広がって、いまではペルー国内のコロナ感染者のおよそ9割を占めていると言われています」
そう話すのは、感染症の専門医で『KARADA内科クリニック渋谷院』の田中雅之院長。依然として猛威を振るう新型コロナウイルス。日本国内の感染者数は累計で100万人以上、死者数も1万5000人を超えるなど、「第5波」による感染拡大は深刻だ。その要因のひとつとして、強い感染力を持つコロナのインド型変異株・デルタ株の蔓延が挙げられている。そんななか、新たな変異株の脅威が囁かれている。それがペルー由来の変異株・ラムダ株だ。すでに国内でも確認されていて、
「ペルーに滞在歴のある女性が7月20日に羽田空港に到着。検疫が実施した検査でコロナ陽性が判明しました。その後、国立感染症研究所が詳しく調べたところ、ラムダ株と確認されました」(スポーツ紙記者)
デルタ株と同様に強い感染力
前出の田中院長によると、
「ラムダ株の感染力は、デルタ株と同様に強いと言われていますね」
アメリカのCDC(疾病予防管理センター)によると、デルタ株は1人の感染者から5〜9・5人に感染を広げると報告されている。ラムダ株の感染力もそれに匹敵するというのだ。医療ジャーナリストの村上和巳さんは、こう付け加える。
「確かにラムダ株は初期段階の研究では、デルタ株と同じ程度の感染力があるという結果が出ています。
ただし、現実にどうなるかは正直言って不明ですね」
というのも、ラムダ株はペルー、チリ、アルゼンチンなど南米を中心に31か国で確認されているが、
「なぜか南米のボリビアとブラジルでの感染者数が劇的に少ないんです。ブラジルにおいては、ペルーの50分の1ですから。ラムダ株の感染力についてはまだ謎の部分が多いんです」(同・村上さん)
8月12日には、テキサス州などアメリカでもラムダ株が出現していることが発表され、世界的に感染拡大の兆しが見えているのも事実。別の医療関係者はこう話す。
「ラムダ株はこれまでのウイルスより感染者の体内のウイルス量が10倍以上も多いという報告もある。決してあなどってはいけない」