ワクチンが効かない可能性も
次に、ラムダ株の毒性について。一般的に感染力が強ければ、毒性は弱まると言われている。つまり、感染力と毒性は反比例するようだが、
「ペルーでは19万人がラムダ株で亡くなっています。その数は、全人口3300万人の0・57%に及びます」(前出・田中院長、以下同)
死亡者数を見ると、致死率が高いように思えるが、
「重症度が強いかどうかについては、実はまだよくわかっていません。症状についても、これといった特徴が見つかっていないんです」
では、ワクチンの効果についてはどうなのか。
「ラムダ株は新種ですから、“ワクチンが効かない”“効き目が低下する”ということも十分に考えられます」
だが、日本はファイザーやモデルナのワクチンを使用しているが、ペルーは大半は中国のシノバック社製を使用しているため一概には比べられない、という意見も。
「どの程度、防げるかはわかりません。ですが、一定の範囲内では効力を発揮するでしょうから、やはりワクチンが最も効果的だと考えるべきです」(前出・村上さん)
それに加えて、やはり徹底すべきことは、
「マスクの着用、手洗い、そして3密を避ける。この3つは心がけるようにしてください」(田中院長)
空港での抗原検査には“穴”が
前述したラムダ株国内初感染者の女性。その後、彼女が実は五輪関係者だったことが判明し“情報を隠蔽したのでは?”と問題となっている。東京オリンピック・パラリンピック関係者の感染者数はすでに500人を超えている。組織委員会による感染対策のガイドラインでは、選手のほか、家族、マスコミ関係者などに、マスクの着用をはじめ、公共交通機関を使わないことなど、60ページを超える膨大な規則が設けられているが、
「新宿などの繁華街や観光地に出没していた五輪関係者がどれだけ目撃されたか……。ガイドラインなんて、まったく意味ないですよね」(前出・スポーツ紙記者)
8月24日からスタートする東京パラリンピック。実は南米の選手団124人はすでに来日している。
「空港の検疫所では、15分程度で結果が出る抗原検査をして、結果不明の人だけにPCR検査を行うという方式をとっています。しかし、抗原検査はPCR検査より感染者を検出する精度が落ちるので、必ずすり抜けが起きてしまうんです」(前出・村上さん)
ラムダ株によって、さらなる感染爆発が起こらないことを願いたい──。