ゲームのいいところは「必ず指を使う」こと。それは高齢者の脳によい刺激を与えているという。シルバー世代に向けてeスポーツ(コンピューターゲームで対戦するスポーツ競技)の普及に取り組んでいる、さいたま市民シルバーeスポーツ協会の水野臣次さんにお話を伺った。
高齢者の認知症予防に役立つ
「徳島大学大学院総合科学教育部が、腕や指を用いた運動により前頭前野に酸素がどのように運ばれるかの研究をしたところ、指の運動により血流の増加が確認されています。ゲームで欠かせない指の操作は、運動を司る大脳の前頭前野の活動を活性化しているそうです」
前頭前野が活性化されると、人はいきいきと活発になり、記憶力や集中力も高まることがわかっている。ゲームをすることで、認知症の予防や改善が期待できるのだ。
さらに、複数人で遊ぶゲームは他者とのコミュニケーションにももってこい。
「ゲームを通じて人とコミュニケーションが生まれることは、高齢者の引きこもり問題の解決策のひとつになります。地域の公民館などにゲームを持ち寄って対戦すると交流になっていいですね」
ゲームを行うときに気をつけたいのはどんな点?
「安全に楽しむために、手指の準備体操をしたり、30分に1回は休憩をしましょう。ゲーム機器のコード類に足を取られて転倒しないように注意もしてください」
ひと言でゲームといっても、ゲーム機を使うものや、PCゲームやスマホゲームなど種類もソフトも、いろいろなタイプのものがある。
「最初は操作がしやすいシンプルなゲームから始めるのがおすすめです」
自分好みのゲームを見つけて、楽しみながら脳を活性化させませんか。