そんなとき支えになったのが、実母・浩ちゃんの存在。あれこれ口を出すのではなく、娘の痛みを理解し、支えようと必死になってくれた。
「いちばん印象に残っているのが、ちいがリストカットを繰り返していたとき。“あんたが切るなら私も切るから”って母が目の前で手首を切ったんです。ちいはお母さんが大好きだったから、ショックだった……。ですが同時にものすごく深い愛も感じました」
荒れた生活は半年近く続き、子どもを両親にあずけて夜、出歩くこともあったという。
どん底から復活できたのは、シングルマザーの先輩からのひと言がきっかけだった。
「“子どもだけは絶対にママの帰りを待っていてくれる。どんなに遅くても起きて待っててくれるんだよ。子どもだけは何があっても裏切らないよ”って言われて……。病んでる場合じゃない、私は子どもがいちばん大事! 守るべき存在がいる! と完全に目が覚めたんです」
悩めるママのヒントになれたら
それ以後はとことん子どもたちを愛し、いちばんに考えるようになった。
「いいママになりたいというよりは、単純に子どもたちが愛おしくて、愛おしくて。心の底から大好きがあふれている感じです(笑)」
そんなちいめろさんの元には、ファンからの悩み相談ともいえるメールが届くこともしばしば。「子どもをすぐ怒っちゃう……」「私もシングルマザー。毎日大変で子育てが楽しめない……」など、週に何通も寄せられている。
「子育てがうまくいかない人は、まず笑うことを心がけてほしい。家庭の中心であるママが暗いと、家族みんなも暗くなって、悪いことが起こりがち、負のスパイラルに陥っちゃう。だから、キツくても笑う。つらい状況も気の持ちようだと思って、私も前向きに考えるように努力しています」
また浩ちゃん世代ともいえる50~60代の女性には、「娘が子育てで悩んでいたら、まずはただ悩みを聞いてあげてほしい」と訴える。
「つらいの? 変なの?」と寄り添ってくれるだけで、心がほぐれる。悩みを言葉にして吐き出せれば、気持ちもグッと軽くなるもの。
「このとき、“こうしたら、あかんやん!”なんて上から目線で言うのは避けて。“わかっとるわ!”ってよけいストレスがかかっちゃうから。“一緒にがんばろう”って対等な感じで言ってくれると、いちばんありがたいかな」
親とも子とも深い信頼関係で結ばれているちいめろさん。
これまで両親からたくさんの愛情を注がれて育ったと振り返る。
「両親は厳しかったけれど、いろいろ経験させてくれたし、やりたいと言ったことはやらせてくれました。今度は私が自分の子をたっぷり愛する番! これからもユーチューブやブログでちいめろ流の家族愛を伝えていきたいな」
どんな批判にも負けずに自分を貫く原動力──。それは彼女が愛する人たちの笑顔があるからなのだろう。
https://www.youtube.com/channel/UCvkWfTGdqAz8N3nJfNay-cA/featured
(取材・文/樫野早苗)